2019/12/01
ライチェル探検隊
日曜日。ピンポ~ンとライチェル探検隊の襲来。ふう~、しゃあない、つきあうべ。
考えてみると、この年頃の子どもとこんな風に会話したり、相手になったりする経験が、この60代になるまで一度もないのだなあ。
ぼくらは所帯を持つ前から子供を作らないと決めてたし、姪がひとりいるが、姪の子ども時代にはほとんど会ったこともない。子どもの相手は苦手だという意識は今もある。
ところがこの二人とは、気がついたらこういうことになっていた。不思議。
ゆうくんにカメラを渡していたら、こんなショットを撮っていた
ゆうくんに撮ってもらったライチェルとの2ショット
で、本日の探検隊にて、ついに「ライチェル探検隊」の歌が完成した。これはその歴史的瞬間を偶然記録していた動画↓
で、完成した後で気がついた。
待てよ。最初にゆいちゃんが歌ったときは出だしがマイナーだったな……と。なんでマイナーなんだろうと不思議に思ったのだ。明るい歌にするつもりなら、素直にメジャーで歌い始めればいいのに。よほど渋い性格なのか?
で、最初にポロッと歌ったときの動画を確認してみた。確かにこう歌っている。↓
前半がマイナー、後半がメジャーの、ブルース音階のような……
それが、今は素直に↓こう歌っている。
普通にやればこうだよね、というメジャーのメロディ
多分、彼女自身はまったく気づいていないだろう。この1年で、自然とこうなっていたのだ。
最初からメジャーで歌っていれば、普通に「歌がうまいね」「作曲の才能あるんちゃう?」となるわけだが、最初にパッと口ずさんだメロディが「ブルース」だったというのは衝撃的ではないか。
そんなことってあるか?
音痴で音を外してブルースっぽくなったというのでもない。音程は常に正確なのだ。しかも、キーは去年も今年も、最初の音はピッタリGの音。
毎日親や周囲の大人たちが歌う黒人霊歌とかゴスペルみたいなのを聴いて育ったアメリカの黒人の子なら分かるけど、そういう環境じゃないもんなあ。
ほんとに不思議。
不思議だったので、その解説動画も作ってしまった。
↑これは音楽教師や音楽を学んでいる学生たちにもぜひ「教材」として見てほしい。
小学校1年生の女の子が人生初めて(多分)鼻歌で作曲したメロディが「ブルース」だった! それが1年経ったら、普通のメジャーになっていた。
で、あと1年すると……?
歌いながら近所の犬と近所のじいさんと一緒に散歩することはなくなり、さらに2年もすると、私とは会話もしなくなって、お洒落やゲームやアイドルに夢中になっている少女になっている……そんな気がする。
ゆいちゃんのじいちゃん(お隣さん=私とほぼ同世代)もそう予測している。「今だけだよ」と。
私が子供を作らないと決めた理由の1つは、子どもができたら自分は「教育パパ」になってしまうんじゃないかと恐れたから。
幼いときには当然のように音感教育をして、英語が自在に操れるようなバイリンガルに育てようとするだろう……それに応えられない子供が生まれたら可哀想だ。
逆に、それを受けて天才に育って、親である自分よりすごい作品を軽々と創り出すような人間になったら、子どもに嫉妬するだろう。
どちらも地獄だな。子どもは作らないに限る……と。
その決断は正解だったと思っている。
今、近所の子どもとなんだかんだこうしてつき合っていられるのも、そういうしがらみがないからだ。だからまあ、うまくいっているのだろう。
来年あたり、こういう関係が自然消滅していても、それでいい。
私が死んだ後、彼らが何かの拍子にこの動画を見て「そういえば、子どもの頃、近所に変なおっちゃんがいたっけ……え? これがそう? こんなことがあったんだ!」と、ぼんやり思い出すかもしれないと想像するだけで、ちょっと楽しくなる。
その頃まで、この国が平和であることを願いたい。
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