一つ前の日記へ一つ前 |  目次   | 次へ次の日記へ

のぼみ~日記2019

2019/12/02

沖縄石獅子


14日に明治大学の特別講座で沖縄石獅子の話が無料で聴けるというので、参加申し込みをした。首都圏の狛犬仲間たちも集まり、その後は狛犬忘年会の様相になるのは必至なので、いろいろあって大変な中だけど、思いきってホテルを取って出かけることに。
予習用に、「民藝」の沖縄石獅子特集号を取り寄せた。
熊本の肥後狛犬や日本中に散らばるいわゆる「はじめ狛犬」とも通じるものがある。
はじめ狛犬で最も古い年号が刻まれているのは山梨の三珠熊野神社の応永12(1405)年だが、沖縄の村落獅子の発祥はせいぜい1600年代後半、広まるのはさらに後らしいので、沖縄から内地に渡ったとは考えにくい。
では、逆に内地のはじめ狛犬が沖縄に伝わったのかというと、それもなさそうな気がする。
当時の沖縄(琉球)は、日本(本州)よりも中国や薩摩との結びつきが強いはずで、中国獅子の影響は普通に考えられる。しかし、薩摩から伝わったとは考えづらい。
東南アジア系の要素も多分にありそうだが、素朴すぎて、断定はできない。
ぐっと頭を柔らかくして想像すると、別々に発生したものがたまたま似たような形態になったということだろうか? それはありえると思う。
何か人知を超えたような霊獣、神の使い、神の化身が村を守ってくれる、自分たちに降りかかる災厄を避けてくれるという素朴な信仰心から生まれたもので、獅子とか「こまいぬ」という名前だけ、一部の情報を頼りに想像を働かせながら彫ったものが同じようなテイストになる……という可能性。
そう考えると、角の有無、走り毛の有無、尾の形などが特に重要な観察ポイントになる気がする。
古いはじめ狛犬でも走り毛が認められるものがあるが、それは石工がそういうものを他で見て知っていたか、情報として「こまいぬにはこういう小さな羽みたいなもんがついていて……云々」という情報が入ってきていた証拠だからだ。
越前狛犬の伝播以前か以後か、ということも重要な見極めポイントだろう。越前狛犬の特徴の一部が認められるかどうか……あれば、石工さんが越前狛犬をすでに見ているか、見ていない(直接見ることができない地域にいる場合など)までも、情報として伝え聞いている可能性が高いからだ。
越前狛犬誕生以前のはじめ狛犬(三珠熊野神社の1405年は民間の狛犬史としては飛び抜けて古い!)の存在は、本当に謎だらけだ。

冬の散歩道


「冬の散歩道」という邦題がつけられたサイモン&ガーファンクルの曲があったなあ。毎日どんどん寒くなってきて、今は耳が隠れる防寒帽を被っている。4時過ぎるとどんどん暗くなるので、ライチェルを迎えに行くのは3時半を目途にしているのだが、ちょっと外で用事ができたりすると急いで帰ってきても5時近くなるから、まっ暗になるのと競争しながら駆け足でわ~っと一周したり……。




↑空の色を重視すると前景はほとんど真っ黒になってしまい、↓夕陽に照らされた地面の光を出そうとすると空のグラデーションは飛んでしまう。これが人間の目とカメラの違い。画像ソフトで細かく調整すれば多分両方ある程度再現できるんだろうけど、大変だからやらない。


これは切り取り方の問題。月を大きくするのは簡単だが↑、むしろ周囲の景色を入れ込みつつ、どれだけ月だとパッと分かるか……というバランスを考えた構図にすることのほうが大切↓


これは色をどれだけ見せるかの違い。↑色を強調するよりも、↓墨絵のように抑えめに表現したほうがこの写真は生きるかもしれない。実際、印象としては↓こっちだったと思う。



居間の高窓から見える月。冬は空気が澄んでいてくっきり見えるのだが、二重ガラスで、写真に撮るとこうなってしまうのが残念。




ガバサク談義へ
たくきのカメラガイドはこちら


タヌパックブックス
狛犬、彫刻屋台、未発表小説、ドキュメント……他では決して手に入らない本は⇒こちらで

★Amazonでも購入できます⇒Amazonで購入こちら

タヌパックのCDはこちら たくき よしみつの小説
  YouTubeのタヌパックチャンネルへ

『彫刻屋台図鑑01 鹿沼の彫刻屋台』

ユネスコ無形文化遺産登録で注目が集まる鹿沼の彫刻屋台。全27屋台を128ページフルカラーで「アート」として見つめ直す写真集。
B6判・128ページ フルカラー オンデマンド 無線綴じ  1680円(税別) 送料:220円
■ご案内ページは⇒こちら 

『彫刻屋台図鑑02 宇都宮・今市の彫刻屋台と天棚』 

写真・文:たくき よしみつ 写真:鐸木郁子  地元の人でも滅多に見ることがないという石那田、徳次郎の屋台(計12台)の他、今市の6台、その他、東下ヶ橋の天棚など、合計23台をフルカラー写真で収録。収録写真画像500枚超。類書がない貴重な資料。
B6判・132ページ フルカラー オンデマンド 1680円(税別) 送料220円
ご案内ページは⇒こちら

小説・神の鑿 ─高遠石工・小松利平の生涯─

「神の鑿」石工三代記の祖・小松利平の生涯を小説化。江戸末期~明治にかけての激動期を、石工や百姓たち「庶民」はどう生き抜いたのか? 守屋貞治、渋谷藤兵衛、藤森吉弥ら、実在の高遠石工や、修那羅大天武こと望月留次郎、白河藩最後の藩主で江戸老中だった阿部正外らも登場。いわゆる「司馬史観」「明治礼賛」に対する「庶民の目から見た反論」としての試みも。

B6判 250ページ オンデマンド 1280円(税別) 送料:220円
ご案内ページは⇒こちら


Kindle版は643円。(Kindle Unlimitedなら0円)Amazonで購入⇒こちら

HOMEへ 狛犬ネット入口目次へ

狛犬ネット売店へ
『神の鑿』『狛犬ガイドブック』『日本狛犬図鑑』など、狛犬の本は狛犬ネット売店で⇒こちらです


更新が分かるように、最新更新情報をこちらの更新記録ページに極力置くようにしました●⇒最新更新情報
   Twitter   LINE


一つ前の日記へ一つ前 |  目次  | 次へ次の日記へ


Kindle Booksbooks    たくきの音楽(MP3)music    目次へ目次    takuki.com homeHOME


Google
nikko.us を検索 tanupack.com を検索