一つ前の日記へ一つ前 |  目次   | 次へ次の日記へ

のぼみ~日記 2020

2020/03/25

志村けんが……

朝(といっても11時近い)起きて階下に降りていったら、助手さんの第一声が「志村けんが……」だった。
え!? まだそれほどの歳でもないのに? と一瞬驚いたが、COVID-19感染が確認されて入院とのこと。それはもっとビックリだ。
ネットで調べると本当だった。
「一時は重体だったが今は快方に向かっている」という記事だったが、その後の情報ではECMO(extracorporeal membrane oxygenation「体外式膜型人工肺」)につなぐために転院したというではないか。ECMOは最後の最後の手段だから、本当なら、少しも「快方に向かっている」とは思えない。
さらにその後の報道から、経過をまとめると、 ……ということだ。
気になるのは、いつどこでウイルスを取り込んでしまったのかということ。
「天才!志村どうぶつ園」では3月5日、NHKの新朝ドラ「エール」では3月6日、「あいつ今何してる?」では3月10日にスタジオでの収録に出ていたという。
COVID-19の潜伏期間は1~14日(多くは5~6日)というが、感染した場所が仕事場であれ飲み屋であれ、そこに一人でいたということはあまり考えられない。発症していない感染者がすでに複数いることは間違いないのだろう。

他にも、サッカー協会会長(JOC副会長)、プロ野球選手(現時点で3名)……この人たちはみな軽症か無症状だ。プロ野球選手は、「最近料理や飲み物の匂いが感じられない」ということで耳鼻科を訪れたらPCR検査ができたというが、彼らは「有名人」だから検査できたのではないか。普通はそんな訴えだけでCOVID-19の検査まではしないだろう。
この感じだとすでに無症状や軽症の感染者は大変な数存在しているのではないか。

ニューヨークのデータは参考になりそう

1月15日~3月24日(70日間)の日本国内でのPCR検査数(累積)(感染者数ではない)を都道府県別に並べると、
  1. 東京:2013人
  2. 愛知:1895人
  3. 北海道:1794人
  4. 兵庫:1607人
  5. 和歌山:1316人
  6. 京都:930人
  7. 埼玉:898人
  8. 新潟:812人
  9. 大分:743人
  10. 福岡:703人
  11. 広島:656人
……という順番だそうだ。とにかく検査数が少ない。
1日あたりは都道府県別に1桁か2桁しか検査してない。いちばん多い東京都(人口約1400万人)の3月26日の検査総数は101件で、そのうち40人に陽性反応が出た。調べれば4割が感染者という結果(⇒こちらを参照)。
一方、同じ26日にアメリカニューヨーク州(人口約2000万人)では死者が前日から100人増え、385人になった。州内の感染者は前日から6448人増えている。検査数は当然1桁多いだろうから、1日で数万人単位で検査しているはずだ。
しかし、日本では検査しないために普通の肺炎で処理されている死者がかなりいるとしても、COVID-19による死者が異様に少ないのは確かなようだ。
そうなると、ますます日本における死者数の少なさには、何か特異な事情、要因があるのではないかと思ってしまう。

27日現在、世界の感染者数、死者数のデータを見ると、アメリカ国内の感染確認例が8万5996 人となっていて、ついに中国を抜いてしまった。
このうち3万9140人はニューヨーク州だ。
アメリカは州によって人種構成比が相当違うけれど、ニューヨークは「人種の坩堝」と呼ばれているくらいの国際都市だし、サンプル数も多いので、ここでの致死率は世界の平均的な数値に近いかもしれない。
3万9140人が感染して395人が死亡。致死率1%。
これは信用していい数字かもしれない。
ちなみに韓国は9332人感染して139人死亡。致死率1.5%。
ドイツは281/47278で0.6%。
スイスは197/11951で1.6%。
……で、これらの国は致死率が低い。

イギリスは580/11816で4.9%。
フランスは1698/29581で5.7%。
オランダは434/7469で5.8%。 ……で、かなり高い。

悲惨なことになっているのは、
イタリアの10.2%、スペインの8.4%。
イタリアはもはや感染者が確認できないまま死者がどんどん増えている状況らしいので、実際はもっとひどいのだろう。
医療崩壊したからだ、高齢者が多いからだ、と分析されているが、劇症化した人が次々に運び込まれる状況を見ると、やはり「他の地域とは何かが違う」と感じさせられる。

イタリアという国は、北と南ではまるで別の国であるかのように「人」も風俗も豊かさも違うらしい。
北イタリアのほうが生活水準が高く、人間性も神経質で心配性な人が多いという。対して南イタリアは開放的で陽気な人が多いが、街は汚く、盗難も多くて危険地帯。賃金も安くて、非正規雇用のnero(黒い労働)と呼ばれる日雇い労働者が多く、税金も払わない……。
となると、当然、COVID-19に感染して死ぬ確率は南のほうが高いと思うのだが、実際には逆で、感染者も死者も北部に集中している。なぜなのだろう?

アメリカに本社を置くバイオテクノロジー企業「23andMe」の研究では、南イタリア人の多くが、10%程度の遺伝子をMENA(中東/北アフリカ)から受け継いでいるのだそうだ。
もしかするとこうした遺伝子の違いが感染率や致死率の違いになっているのではないだろうか?
ドイツの致死率がイギリス、フランス、オランダなどより明らかに低いことも、遺伝子的な要因によるところが大きいのではないか?

……と、想像してしまうのだ。
何度も言うようだが、だからどうだ、ということではない。単純に、そういう要因がありそうだな、という話だ。
分からないことが多い現状で、断定的なことは何も言えないはずだ。例えば「日本ではPCR検査をしないから医療崩壊が起こっていないのだ。検査数を増やしてはならない」と力説する人がいっぱいいるが、1日万単位で検査しているニューヨーク州での致死率が1%と低いことを考えれば、おかしな説だと思わざるをえない。それよりも「何かの要因で日本は今のところたまたま大災厄から逃れられているだけではないか?」と疑ったほうがいいのではないだろうか。

もう一つの可能性「ウイルス変異説」

HLA型の違い(遺伝子的な要因)の他にも、地域によって広がっているウイルスの型が違うという説もある。
武漢で当初猛威をふるったウイルスはその後だんだん弱毒化していったが、ヨーロッパに広がったウイルスは変異を続けて、ある局面で強毒化したのではないか、というような説。
ウイルスが少しずつ変異していることは確かなようで、複数の研究がそう報告している。
ウイルスがほんの少し変異しただけで、感染しやすい人、感染すると重症化しやすい人が大きく変わるかもしれない。また、一度獲得した免疫があまり効かなくなり、再感染すると一気に重症化しやすい……というようなことも起こりえるかもしれない。
もしそうであるなら、中国で感染が収まったというが、今後は外から入ってきた変異後のウイルスで二度目の感染爆発ということだってありえるだろう。
もちろん、今まで「たまたま」「運よく」なんとなく危機をすり抜けてきた日本も、この先どうなるかまったく分からない。なにしろ未だに正体が摑みきれない、分からないことだらけの難敵なのだから、予測が立てられない。
一つ確実にいえるのは、COVID-19の感染そのものによる死者よりも、COVID-19の流行やパニック現象によって活動制限された社会で、疲弊して死ぬ人が増えるだろうということだ。
介護施設での集団感染の危険性がいわれているが、在宅の認知症高齢者が感染するとさらに悲惨だ。いや、感染しなくても、今まで保てていた生活が続けられず、死期が早まることは十分に考えられる。⇒これは韓国での例だが、日本でも同じことが起きるだろう。

1週間後、2週間後には、日本が、世界が、とんでもないことになっているかもしれない。
心の準備はしておかなければ……。
Yoshiko Ondaさんが描いた「あまびえ」。疫病除けとして貼っておこう、っと……





タヌパックブックス
狛犬、彫刻屋台、未発表小説、ドキュメント……他では決して手に入らない本は⇒こちらで

★Amazonでも購入できます⇒Amazonで購入こちら

タヌパックのCDはこちら たくき よしみつの小説




更新が分かるように、最新更新情報をこちらの更新記録ページに極力置くようにしました●⇒最新更新情報
    Twitter   LINE


一つ前の日記へ一つ前 |  目次  | 次へ次の日記へ


Kindle Booksbooks    たくきの音楽(MP3)music    目次へ目次    takuki.com homeHOME


Google
nikko.us を検索 tanupack.com を検索