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のぼみ~日記 2020

2020/04/12

動画コラボ問題

星野源が公開した動画に官邸がのっかって大炎上した。
4月5日にYouTubeにアップされた元の動画には、こうある。
Share your own instrumental accompaniments, arrangements, dances or covers on YouTube!

And also, you can add subtitles for your language.
If you would like to translate the lyrics, please feel free to add your translation.

つまり、これに自分で楽器の伴奏や編曲やダンス、あるいはカバー演奏をどうぞ、歌詞を訳してつけてくれてもいいよ、と言っている。ある意味、版権無料公開宣言だ。
災害が起きたときなどに、有名人が何らかのチャリティのためのアピールとか、コラボの呼びかけとかといったことは過去、いろいろあった。
アイス・バケツ・チャレンジとか「We Are The World」なんかも、形は違えども似たようなものだったと思う。
そこに、安倍晋三が無言で私邸でくつろぐ映像をくっつけただけのものをアップして「友達と会えない。飲み会もできない。ただ、皆さんのこうした行動によって、多くの命が確実に救われています。そして、今この瞬間も、過酷を極める現場で奮闘して下さっている医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります。お一人お一人のご協力に、心より感謝申し上げます」などという文字だけのメッセージをのせた。
そのトンチンカンぶりに、多くの人たちが呆れたり激怒したりしたわけだ。
おまえがやっているのはコラボじゃないだろ。ただの「乗っ取り」だろ、と。

もちろん、安倍晋三が自分でこれを考えたわけではない。示唆してやらせた者がいる。私邸に入って撮影して、動画にして、SNSにアップした者もいる。
提案したのはアベノマスクの提案者と同じだという報道もあった。
それも怖ろしい話だが、NHKなどがこの問題の本質には触れず、ただの官邸広報となってしまっているのはさらに怖ろしい。

私はインパルス板倉が書いてサンドウィッチマン伊達と演じた⇒このコントをすぐに思い浮かべてしまった。
冬山で遭難した男(伊達)がやっとたどり着いた家で、一人優雅にお茶を飲んでいた家主(板倉)が「それは大変でしたね。では、下山はあちらの道です。お気をつけて」って追い返すというコント。安倍晋三が演じたのはまさにこれに近い。
コントでは最後に伊達がぶち切れて「ちゃんと」終わるのだが、国の問題としてはそうならないところが悲しい。

個室付き浴場業に係る公衆浴場?

東京都と国が、営業自粛要請を求める業種について揉めてまとまらず、二転三転したことで、各業界が混乱した。
東京都が4月10日に提示したリストの「遊興施設等」に並んだ業種が、昭和臭が強くて苦笑してしまった。

キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール、バー、個室付浴場業に係る公衆浴場、ヌードスタジオ、のぞき劇場、ストリップ劇場、個室ビデオ店、ネットカフェ、漫画喫茶、カラオケボックス、射的場、競馬投票券発売所、場外車券売場、ライブハウスなど。

最初のほうに並んでいるものほど昭和臭がすごいなあ。

「個室付浴場業に係わる公衆浴場って、初めて聞いたわ。
「ほならソープと違うか~。あれは公衆浴場とちゃうがな」
「『のぞき劇場』てなんや? 聞いたことないわなあ。『のぞき部屋』いうのは昔あったような……いや、あれは「劇場」とちゃうもんなあ」

「ノーパンしゃぶしゃぶとかマンヘルとかはないんかいな」
「あれはもう絶滅したやろ。ノーパンしゃぶしゃぶの時代は財務省やなくて大蔵省やったしな。今は財務省やからな」
「マンヘルもないで。いや、あれはマントルやったんちゃうか、あの時代は」
「マントル? 火山か」
「マントルだけに、あ~、もうあかん。噴火する~、て」
「アホ!」(x_x)\バキッ☆ (x_x)\バキッ☆ (x_x)\バキッ☆

ダンスホールというのは、昭和を通り越して大正時代くらいのイメージなんだろうか。今、NHKがやっている古関裕而をモデルにした朝ドラで、地方銀行の経営者の家に養子に出された主人公が通う「ダンスホール」は、男がチケットを買ってダンスホール専属の踊り子にダンスの相手を申し込む……という。
現代のダンスホールは、1996年にヒットした映画「Shall we ダンス?」に出てくるようなものの生き残りだろうか? Wikiによれば、
近年では社交ダンス人口が減ったことでダンスホールも減少傾向にあり、東京都内にはダンスバンドが出演するダンスホールが2軒残るのみである。(略)また、映画『Shall we ダンス?』のロケ地となった大阪市・梅田のダンスホール「ワールド」も2001年1月末に閉館している。
とある。

個室付き浴場業に係る公衆浴場……っていうのは、るーとこのことだろうけれど、今はもう絶滅危惧種でしょ。
お役所って、こんなに時代感覚がおかしいところなのだろうか?
さすがに、その後、4月13日に修正発表したリストからは「個室付浴場業に係る公衆浴場」というのは消えていたが、「本屋」は対象外だが「古本屋」は対象、「銭湯」は対象外だが「スーパー銭湯」は対象、「おもちゃ屋、鉄道模型屋」は対象だが「文房具屋」は対象外、などなど、不思議な線引きがいろいろあった。トイザらスにはオムツやベビー用品を扱うコーナーもあるが「おもちゃ屋」なのか? とか、文房具屋で売られている玩具はOKなのか? とか……。そもそも「書店」「古書店」と書かずに「本屋」「古本屋」「文房具屋」と書いているセンスが……。
共同住宅、寄宿舎、下宿、ラブホテル、ウィークリーマンションが並んでてどれも「対象外」。ラブホテルって言葉、久しぶりに見た。ファッションホテルとかブティックホテルとかって言葉は、役所は認めないんだね。で、ただでさえ経営難でどんどん閉鎖されていたラブホは、これをバネに生き残れるのか?
不顕性感染者の隔離施設としてはうってつけのような気もするが、自治体に借り上げて活用する決断力があるか……?

敷居が低い?コラボ動画

ジョイマン高木が源ちゃんの真似をしてこんなツイートをしたところ、あっという間にコラボ動画が寄せられた。
おお、こっちのほうが敷居が低そうだ。参戦している人たちも、源ちゃん動画とはだいぶ色合いが違う(要するにオタク系が目立つ)。

遅ればせながら……。一人だと寂しいので、45年前に東京キッドブラザースのミュージカル『黄金バット』のためにバンド仲間(全員大学生)と録音した自宅デモテープをバックにして、今月めでたく「高齢者」となったあたしがEWIを重ねました。ご笑納ください。 pic.twitter.com/p3CwYX800M

— たくき よしみつ (@tanupack) April 16, 2020

やるならこのくらい緩いのがいいよな~、と思って、悩んだ末に参戦してみたのだが、生来の真面目さが出て、なんだかな~な感じになってしまった。
タモリの名言「仕事じゃねえんだぞ。真面目にやれ」を思い出し、かなりていねいに作ってしまったのが仇になったか……トホホ。

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