のぼみ~日記 2020
2020/09/29
SONY HX-90V、RX100Ⅲ、Olympus XZ-10、Stylus1の4台を比較した。
最初に4台のカメラの仕様を比較してみる。
■センサーサイズと画素数
- HX-90V:1/2.3型(6.2mm×4.6mm)、2110万画素
- XZ-10:1/2.3型、1200万画素
- Stylus1:1/1.7型(7.5mm x 5.6mm)、1200万画素
- RX100Ⅲ:1型(13.2mm x 8.8mm)、2090万画素
1/2.3型の面積は28.52㎟
1/1.7型は42㎟
1型は116.16㎟
1/2.3型を1とすると、1/1.7型は1.47倍、1型は4.07倍もの違いがあるが、画素ピッチ(1画素あたりの大きさ)で比較すると、HX-90Vを1としたとき、
- HX-90V:1
- XZ-10:1.76
- Stylus1:2.59
- RX100Ⅲ:4.12
……となり、HX-90Vの画素ピッチがいかに小さいかが分かる。
■レンズの焦点距離と明るさ
- HX-90V:F3.5~6.4、4.1-123mm(24-720mm相当)
- XZ-10:F1.8~2.7、4.7-23.5mm(26-130mm相当)
- Stylus1:全域F2.8、6.0-64.3mm(28~300mm相当)
- RX100Ⅲ:F1.8~2.8、8.8-25.7mm(24-70mm相当)
……となり、他3機種に比べてHX-90Vのレンズの暗さが非常に気になる。F3.5-6.3というのはAPS-Cサイズのレンズ交換式カメラに使っている「ズボラズーム」(27-375mm相当)とほぼ同じ「暗さ」。こんなに暗いレンズでこんなに小さな画素ピッチのセンサー……となれば、いくらズーム比がすごくても、画質に不安を抱くのは当然だ。
そこそこいけるとしても、逆に近くのものをマクロで撮るときの画質差も相当気になるところだ。
……ということを頭に入れた上で、さっそく撮り比べ開始。
暗い部屋の中で
HX-90V
F3.5、1/30秒、ISO:2000、-0.3補整
XZ-10
F1.8、1/30秒、ISO:500、+0.3補整
RX100Ⅲ
F1.8,1/30秒、ISO:500、補整なし
Stylus1
F2.8,1/30秒、ISO:500、-0.3補整
まずは暗い部屋の中で広角端でパッと撮った。
レンズの暗いHX-90Vが不利だが、広角端だとそんなに違う印象は受けない。他の3機種がISO=500で押さえているのに、HX-90VだけがISO=2000と、無理をしている。でも、映像エンジンがよくできているのか、そんなにひどい画像にはなっていない。このへんはメーカーの努力と技術の進歩なんだろうなあ。
とはいえ、黒が潰れていたり、細部の質感がベタッとして伝わってこないのは分かる。なんとか「見られる」写真です……という程度なら、スマホのほうがいいかもしれない。
ちなみに、SONYの2機種は広角端が24mm、Olympusの2機種は28mmで、その違いも上の写真ではよく分かる。
上の写真をIrfanViewで一発補整してみたのが↓これ。
一発補整でどのくらい印象を改善できるかもカメラの性能のうちだと思うので。
HX-90V
XZ-10
RX100Ⅲ
Stylus1
Stylus1だけが色味などがかなり違う。確認したら、ピクチャーモードが「ナチュラル」になっていた。そのせいもあるかな。
暗い部屋の中でのズーム
HX-90V
163mm相当、F5.6、1/10秒、ISO:3200、-0.3補整
手ぶれ補正も限界を超えて、ISOも3200。さすがにこれはボケボケになってしまった。
720mm相当、F6.4、1/40秒、ISO:3200、-0.3補整
これが自慢の720mm相当、望遠端だが、暗い室内ではこうなってしまう。それにしても163mm相当のときよりシャッターが速いのはなぜ?
XZ-10
130mm相当(望遠端)。F2.7、1/30秒、ISO:1250、-0.3補整
明るいレンズで望遠端でもF2.7が効いている。
デジタルズームで2倍(260mm相当)
RX100Ⅲ
70mm相当。F2.8、1/80秒、ISO:5000、補整なし
RX100Ⅲは望遠端が70mm相当までなので、これ以上は引っ張れない。
上の画像をトリミングして拡大。これでもHX-90Vのズーム端よりはいいかな?
Stylus1
200mm相当。F2.8、1/50秒、ISO:1600、-0.3補整
いちばんクリアかな?
300mm相当、F2.8、1/80秒、ISO:3200、+0.3補整
メタル素材の質感がいちばんよく出ている気がする。全域F2.8の威力か。
というわけで、暗い部屋の中ではやはりHX-90Vは他の3機種に比べると圧倒的に不利であり、得意のズームもダメダメになってしまう。
でもまあ、暗い部屋の中でズームを使う機会はそんなにあるわけではないので、広角端でそこそこ撮れるのでヨシと考えるかな。
Stylus1の描写力というか、雰囲気の伝わり方がワンランク上かな、という印象も残った。
1型センサー+明るいレンズのRX100Ⅲは他の3機種に比べて圧倒的な差をつけてほしいのだが、XZ-10と変わらないか、下手するとXZ-10のほうがうまく撮れることが多いかもしれない。
僕がRX100シリーズをそれほど評価していないのはそういうところにもある。