前
向背柱が貧弱なので前がちょっとスカスカの印象。屋台全体は、幅2.8m、長さ4m、高さ4.2mだという。
前鬼板・懸魚
前鬼板は2匹の龍。懸魚も龍。前板と懸魚合わせて3匹の龍がにらみ合っている(珠を奪い合っている)構図。オーソドックスだが実に見事な彫り。
右の龍が珠を持っていて、それを左の龍が奪おうとしているのかな。
見る角度で龍の表情が変わる。↓下の龍(懸魚)は、上の2匹の龍の争いに加わろうかどうか、ちょっと引いている感じ?
前蹴込
前蹴込には角ありの鯱かな。これ、彫刻屋台の意匠でよく見るのだが、名称が未だによく分からない。
なんか、前の鯱が後ろの鯱に追いかけられているような感じ。こっちが雌なのかな。
後ろ
後方も手抜きなしで見事な彫刻が施されている。
後鬼板・懸魚
後ろ鬼板と懸魚は、前と同じように見えるが、鬼板の龍は一匹で、それを鯱(?)が両側から挟み込む形。ということは、こちらは完全に海の波間ということだろう。
後方の龍は翼か鰭のようなものがついている。前鬼板と前懸魚の龍にはついていないので、後方の龍は「水龍」で、翼のようなものは鰭なのだろう。また、波状のものも、前方と後方では描き方が少し違う。後方は明らかに「波」で、巻き込みの先端が滴状に球になっている。
ということは、前方のは波ではなく雲のつもりかもしれない。雲をリアルに描くと彫刻の細かさを印象づけられないので、波のように細かく刻んでいるのだろうか。
龍の表情を見るために、後ろの土手に上って望遠で撮ってみた。
面白いのは鬼板の両脇にいる鯱。
水流を2匹の鯱が挟み撃ちにしているようにも見える。
上の水龍と鯱2匹のにらみ合いをよそに、懸魚の水龍は我関せずの体?