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のぼみ~日記 2020

2020/10/31

文挾の彫刻屋台



今日は待ちに待った文挾の彫刻屋台お披露目式。
正確には、屋台収蔵庫新設お披露目式かな。文挾の彫刻屋台は、組み立てたまま収納できる収蔵庫がないため、組み立て、分解、保管を繰り返していたが、20年くらい前(愛子内親王誕生記念だったらしい)に組み立てられたのが最後で、その後は保管されたままになっていた。
収蔵庫を作るには1000万円くらいかかるだろうし、生きているうちに見ることはできないのかなと諦めていたのだが、降って湧いたように、旧落合出張所跡地に収蔵庫を新設するという話が持ち上がった。
地元の有志があちこちに掛け合って実現したらしい。
土地は日光市が無料提供。収蔵庫の建設費はおよそ1000万円(旧出張所の建物を撤去する費用も含む)。そのうち600万円は町内の寄付で、日光市からも補助金が出たという。
10時から12時までで、来場者には蕎麦や赤飯が振る舞われるという。人がいっぱい来る前に写真を撮りたかったので、9時半に行ったところ、すでに屋台は外に出されていた。
受付で検温と手のアルコール消毒、記帳をして、写真撮影開始。


向背柱が貧弱なので前がちょっとスカスカの印象。屋台全体は、幅2.8m、長さ4m、高さ4.2mだという。


前鬼板・懸魚


前鬼板は2匹の龍。懸魚も龍。前板と懸魚合わせて3匹の龍がにらみ合っている(珠を奪い合っている)構図。オーソドックスだが実に見事な彫り。



右の龍が珠を持っていて、それを左の龍が奪おうとしているのかな。



見る角度で龍の表情が変わる。↓下の龍(懸魚)は、上の2匹の龍の争いに加わろうかどうか、ちょっと引いている感じ?

前蹴込




前蹴込には角ありの鯱かな。これ、彫刻屋台の意匠でよく見るのだが、名称が未だによく分からない。

なんか、前の鯱が後ろの鯱に追いかけられているような感じ。こっちが雌なのかな。

後ろ


後方も手抜きなしで見事な彫刻が施されている。


後鬼板・懸魚



後ろ鬼板と懸魚は、前と同じように見えるが、鬼板の龍は一匹で、それを鯱(?)が両側から挟み込む形。ということは、こちらは完全に海の波間ということだろう。

後方の龍は翼か鰭のようなものがついている。前鬼板と前懸魚の龍にはついていないので、後方の龍は「水龍」で、翼のようなものは鰭なのだろう。また、波状のものも、前方と後方では描き方が少し違う。後方は明らかに「波」で、巻き込みの先端が滴状に球になっている。
ということは、前方のは波ではなく雲のつもりかもしれない。雲をリアルに描くと彫刻の細かさを印象づけられないので、波のように細かく刻んでいるのだろうか。



龍の表情を見るために、後ろの土手に上って望遠で撮ってみた。



面白いのは鬼板の両脇にいる鯱。



水流を2匹の鯱が挟み撃ちにしているようにも見える。



上の水龍と鯱2匹のにらみ合いをよそに、懸魚の水龍は我関せずの体?

前後の鬼板・懸魚だけでも、じっくり見ていくと、技術も凄いが、物語性があって面白い。
水龍は物事の幕引きの役割を持っているという話もあって、もしかすると後方には普通の龍ではなく水龍をあしらったのはそういう意味合いが込められているのかもしれない。

続きは次ページで。

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