NHKの朝ドラ『ちょっちゃん』。
初回を見たときは「だみだこりゃ~」と思ったのだが、その後、我慢して見ていたら、最近の朝ドラの中ではかなり面白いというか、ちゃんと作っているほうではないか、と思うようになった。
例によって誰かモデルがいるのかな、と思いつつ確かめていなかったのだが、浪花千栄子だった。
浪花千栄子ときいて、あたしら世代は普通に「ああ、テレビでよく見ていたオロナインのあの人」と思う。あの人、亡くなったのか……なんて……。
感覚としては、「美味しいと眼鏡が落ちるんです」の大村崑や「あたりまえだのクラッカー」の藤田まことあたりと同世代くらいの認識。「はっぱふみふみ」の大橋巨泉よりはちょっと前だったかな、くらいの感覚なのだが、改めて調べてみたら、亡くなったのは47年も前だった。そんなに昔だったのかと知ってショックを受けたが、亡くなった年齢が今の自分たちと同じ(66歳)で、もっとずっと若い50代のときにはもっぱら「老婆」役を演じていたと知り、さらにショックを受けた。
じじいになるというのはこういうことなのね。
ここまでくると、じゃあ、大村崑や藤田まことはご存命なのか? と気になってチェックしてみたら……。
- 大村崑:1931年11月1日 (現在89歳)
- 藤田まこと:1933年4月13日 - 2010年2月17日(没年齢76歳)
- 大橋巨泉:1934年3月22日 - 2016年7月12日(没年齢82歳)
ちなみに浪花千栄子は1907年(明治40年)11月19日 - 1973年(昭和48年)12月22日、で没年齢66歳。
世代としては大村崑、藤田まこと、大橋巨泉は同世代で合っていたが、浪花千栄子はそれより四半世紀前の世代で、彼らの母親くらいの世代だった。テレビに出始めたときにすでに「おばあさん」だったということなんだろうが、それでも今の自分より若かったのだなあ。
で、ここまで調べていて、大村崑ってそんなに若かったんだっけ……と思ったのだが、よ~く考えたら、先輩の三木のり平と混同しているところがあった。
そういえば、大村崑がテレビに出てきたときも、三木のり平と同じじゃないの? と子供心にも感じたのをおぼろげに思い出した。
三木のり平:1924年4月11日 - 1999年1月25日(没年齢74歳)
で、三木のり平でさえ浪花千栄子よりずっと若かったのもビックリした。
いやほんと、歳を取るっていうことは、こういうことなんだろうな~~~~。
……ちなみに、浪花千栄子の実際の人生は、ドラマよりずっとドラマチックというか、凄まじいものだったようだ。これでもかというくらい人から裏切られ、捨てられ、いじめられ……それでも最後はあれだけ上品な笑顔で穏やかに話せる人になっているというのが、さらに凄い。