日光市長選

昨日、ネットニュースの見出しを眺めていて目にとまった文字。
「一太郎」に罪なし
……って、何のこと？　と思って記事を読んだら……

2021年5月12日に国会で可決成立したデジタル改革関連法案。「電気通信回線」とすべきところを「電子通信回線」とするなどの誤りが、5本ある新法や法改正案のうち4本で45件見つかった。
加えて、経済産業省や文部科学省などが作成した法案でも誤りが判明。政府が提出法案の全体を再点検したところ、デジタル改革関連法案を含めて13省庁が作成した23の法案と1つの条約で、参考資料を含めて134件の誤りが見つかった。
（「一太郎」に罪なし、134件の法案誤り続出で政府デジタル変革に黄色信号　日経クロステック　2021/05/14）

デジタル後進国というだけでなく、一流（とされている）大学を出たエリート（と呼ばれる）人たちの仕事ぶりがこれですか。
トップが腐っているのは分かっているけれど、組織の中堅や実働部隊の仕事レベルがこれ？
あ～、また具合が悪くなりそうだよ。ここまでひどいのか、この国は。
国がこのザマだから、自治体が頑張らなくちゃ……と思うと、それがまた……。


寝て起きて、下に降りていったら、助手さんが開口一番「選挙、今日行く？」と言ってきた。
「ん？　今度の日曜だっけ？」
「そう。明日から雨みたいだから」
……というわけで期日前投票に行ってきた。
しかし、ここ10年くらいでいちばん気の重い選挙だったかもしれない。
先日の大嶋日光市長の急死はショックだったが、その後継を決める市長選が、さらにガックリくる様相だった。
立候補したのは二人。一人は絶対に市長にさせたくないので対立候補に入れるわけだが、なんとも頼りない。
ポストに入っていたチラシがこれ↓

ツッコミどころというか、いろいろ言いたいことはあるが、身体に悪いのでやめとく。

もう一人の候補は自民党推薦を受けていて、市議会も自民党で固められているから、組織的には有利なのだが、前回は15票差で負けている。3人が立候補して票が割れたために15票差という僅差だったが、2人だけならもっと大差で負けていただろう。
今回は2人しか立候補していないが、どうなるのか……と思っていたが、その後、ポストに入っていたチラシを見て、ぶったまげてしまった。

↑上が表面、下が裏面。裏面は「ぬりえ」だそうで……。

おいおい、嘘だろ。これはもう、なんというか……「異次元」だな。
実際、このチラシを見て「あまりにも市民をバカにしている。腹が立ったから今回は棄権する」と言う人が何人もいたと聞く。

要するに完全なオウンゴールですね。
それが分からず、スタッフの誰もこのチラシを止めなかったということに驚く。そもそも、政策はおろか、候補者名さえどこにもない！
これが「世界の日光」のリーダーを決める選挙ですか……あ～、頭痛い。

で、結果はこう↓


前回の15票差に続いて、このかたは2連敗。
しかし、87票差なら、あのチラシがなければこのかたは楽勝していたのではなかろうか。そう思うと、また憂鬱になる。

新市長は「敵失」で辛うじて当選した感があるが、とにかくしっかりやってほしい。
日光市は職員の質が高いと思っている。みなさん心を込めて働いているという印象で、役所の窓口でも嫌な思いをしたことは一度もない。川崎市民だったときよりずっと暮らしやすい。日光市の行政スタッフには感謝している。
大嶋・前市長はかなり頑張って仕事に取り組んでいた。市長になった途端にコロナ禍で、相当疲労も溜まっていただろう。
一人一律10万円の給付金支給も、全国で最も早く完了させたレベルだった。
それだけに、急死を知ったときはショックだったし、これからどうなってしまうのかと不安に襲われた。
新市長には、有能・優秀なスタッフをうまく起用しながら、地道な市政、絡め取られない市政（姿勢）を貫いてほしい。
あとは（偉そうだけど敢えて言わせてもらえば）、変な方向に突っ走って失敗しないように、物理や歴史、人間学の基本を勉強する時間も持ってほしい。
これはすべての政治家に言いたい。
再生可能エネルギーを援助しますとか、脱炭素社会を進めます、とか言って太陽光パネルを敷き詰めたり大型風車を建てたりなんてことを始めたら、絶対に許さないよ。まずはそういう詐欺に引っかからないように、資源物理学の基礎（エネルギー収支の仕組みとエントロピー増大則）を頭に叩き込んでほしい。
「世界の日光」を守り続けるには、浅薄な正義漢では通用しない。合理性と人間愛を両立させた施策を押し通すバランス感覚、胆力、折衝術、理論武装が必要だ。そうした素養がないと、小賢しい利権政治家たちにうまく利用されてしまう。
自分は正しいことをしていると思い込んで、間違った方向に突き進む政治家ほど困った存在はない。
それがいちばん心配だ。
小さな失敗をしても、議会でいじめられても、誠実に取り組んでいれば、心ある市民は協力するし、一緒に頑張る。
4年後、またあなたに、今度は迷わずスッキリと投票できるように……期待したい。