IOCが独断で競歩とマラソンの会場を東京から札幌に変更したとき、日本ではみんな「札幌のほうが涼しいというのは甘いよな。最近では逆のことも珍しくないし」って思った。
案の定そうなった。
10日くらい前からずっと、毎日8月6~8日の札幌と東京の最高気温予想をチェックしていたが、札幌のほうが高いという予想が続いていた。
当日は変わるかなと思ったが、そのまま6日を迎えた。
今日は競歩があるのよね。

沖縄が一番涼しいじゃん。これが日本の夏、緊張の夏なのよ>IOC

ああ~、やっぱり。ついにぶっ倒れた50km競歩川野選手
解説者「あ~、は……は……戻してますね。戻してます戻してます!」
「吐く」は禁止用語だったのか。
この後、気合いを入れ直して集団に追いつくも、最後は6位。この気温だもの、仕方ない。

優勝はポーランドのトマラ。

解説者「トマラ選手、とまらないですねえ」
実況アナ「…………」
おいおい、渾身の駄洒落だったんだから、スルーするなよ。可哀想に。
田中希実、1500mでまさかの入賞!
嘘だろ~! と言いたくなるような結果。
田中希実が1500mで8位入賞。ビックリした~!
改めて言うけど、女子1500mという競技に日本選手が五輪で「出場」することが史上初。それほど「日本人には無縁」だと思われていた種目。そこに出て、日本新記録連発で決勝にまで行ってしまった。
しかも決勝は予想を完全に裏切り、最後にまくるのが定番のハッサンが最初から先頭に立つという展開。それを田中は慌てるのではなく「すごい、すごい」って思いながらついていったという。
最後の一周は一瞬記憶が飛ぶくらいの極限状態だったとも言っていた。
それでも「あそこでちゃんと最後の先頭争いに加われるようなスタミナをつけないといけないと思いました」と、冷静に言う。
ほんとに凄いわ、この子は。
助手さん曰く「みなさんのおかげ、とか、感謝の気持ちを込めて、とか、見ている人に元気と勇気を与えられるような……とか、そんなことばかり言っている日本選手の中で、この子だけがずっと『戦略』を話している。他の選手とは違うのよね、そこが」
どうしたら勝てるか(いちばんいい結果に持ち込めるか)を冷徹に分析し、その作戦を実行する勇気。
しかも、決勝では勝負に絞って遅くなるレースが予想されたのに、準決勝以上の速いペースになった。それでも慌てず「さすがは世界の決勝。すごいすごい」と、どこかで楽しみながらついていったというのだから、ほんとに強い。
ゴールした後、立ち上がれないほどハアハアしている田中を見たのは初めてかもしれない。そこまで自分を追い込めた精神力も大したもの。いやもう、解説の金さんじゃなくても興奮するわ。

「酸素あげて」と言いたくなるほど肩で息をしていた。ここまで自分を追い込めるんだなあ。

ああ、バトンが渡らない!

田中の快挙の後だけに、男子4x100mリレーは冷静に見ていた。
ビリじゃなければいい、くらいの気持ちだった。他のチームが次々にバトンを落としたり、オーバーゾーンで失格になるとかのアクシデントが起きない限り、メダルはないだろうな、と。
そうしたら、なんと、日本チームがバトンミス。それも1走から2走でいきなり。
多田も山縣もこの位置でのバトンは何度も経験しているし、今まで失敗したのを見たこともないから、まさかここでダメになるとは思わなかった。

ほんとにギリギリの勝負を挑んでいたのね。
予選のタイムは本来なら決勝に進めないものだったし、「攻めのバトン」じゃないと勝てない、という決意は間違いじゃなかった。
むしろこういうレースをしたことは誉めてあげたい。よくやった、と。
走ることなく終わった桐生や小池の態度も立派だった。
何度も見直してみたが、1走の多田はほんとによかったのね。

↑この時点で日本は隣のイタリアをこれだけ離していて、最高のスタートだったのだよね。
1走で多田にこれだけ差をつけられたイタリアが、最終的には1位になったことを思うと、ほんとに残念ではある。
中国も十分メダルがいける感じだったが、最後固くなって4位。
- イタリア 37.50 NR
- イギリス 37.51 SB
- カナダ 37.70 SB
- 中国 37.79 NR
- ジャマイカ 37.84
- ドイツ 38.12
なんとジャマイカが中国に抜かれて5位。アメリカは予選落ちだったから、日本にとってはチャンスだったはずだが、調子が上がってこないことへの焦りがあったのだろうな。これが実力。仕方ない。
しかし、100m男子個人に次いでリレーも金のイタリアは、ほんと「コロナに打ち勝った証」なのか……。ドラマだなあ。
なんで女子だけ?

男子ビーチバレーをチラッとみて、助手さん曰く。
「なんだ、男子はちゃんと服着てるじゃないの。陸上より着込んでるじゃないの。許せないわね」
……というのも、
ノルウェーの女子代表チームは18日、ブルガリアで開催された欧州選手権の3位決定戦で、男子選手と同じショートパンツを着用した。欧州ハンドボール連盟はこれを「不適切な服装」と判断し1500ユーロ(約20万円)の罰金を科した。
(BBC 2021/07/27)
この罰金を、アメリカのポップ歌手・ピンク氏が支払いを肩代わりすると申し出たのも話題になった。
これはビーチハンドボールでの「事件」だが、以前はビーチバレーも、国際バレーボール連盟(FIVB)の規定として女子はビキニでプレーすることが定められていたそうだ。
それが、2012年にルール変更となり、以後はワンピースやタンクトップとショーツなど、何を着るかは選手の自由だという。
だからまあ、このビーチハンドボールもそうなっていくだろうね。
現行ルールでは、「
女子アスリートはビキニのボトムスを着用しなければならない」と決められていて、デザインは「
脚の付け根に向かって切り込まれた形」で、
体形に「ぴったり」したもので、
側面の幅は最大10センチまでと決められているという。
結局、連盟は罰金を受け取ったらしいが、
欧州ハンドボール連盟は、7月26日、ノルウェー・ハンドボール連盟が支払った罰金について、「スポーツ界での平等を支援する団体に寄付した」と発表したそうで、それもなんだかお笑いのネタみたいだわね。

女子がビキニ着用を義務づけられているなら、男子選手はこれか?