歌詞を書くのが苦手である。
詩の才能がないのよね。若いときから苦手意識がある。
だから、どんな歌詞でもいいから、与えられたものにメロディをつける仕事のほうが、結果としていい曲になる。割り切れるからかな。
大学生のときに依頼されて作ったミュージカル『黄金バット』(東京キッドブラザース)のために書いた曲は、今でも名曲が多かったと自負している。
↑吉岡くんは「これがよしみつの最高傑作」と言っていたなあ。
これも大学生のときのデモテープ。
これはやはり『黄金バット』のために東由多加さんが書いた『ビッコの木馬』という歌詞につけたメロディ。ミュージカルでは不採用となったけれど、今でも気に入っているメロディなので、EWIでインストとして録音したもの。
これも大学時代に書いた曲で、聖光学院の同級生・小松洋くんが中学時代に書いた詩を拾い出してきてメロディをつけたもの。
これは「パンツの穴アニメ」のために作った曲。歌詞は当時高校生だったおぐちさとるくんが書いたものに少し手を入れた。
これは大学の先輩・茅野美ど里さんにもらった詩にメロディをつけたもの。エバーグリーンの一つになってもいいような出来じゃないかなあ、これなんかは。
……とまあ、他人が書いた詞にメロディをつけたときのほうが、名曲ができあがるのである。
今はもうそういう仕事はないので、歌を作るには自分で歌詞を書くしかない。これが辛い、というか、楽しくない。
そこで、著作権の問題が生じない大昔の詩、百人一首から拾った女性の恋の歌ばかり集めた『いにしへの恋歌』とか、そんなのもやりながら苦しんでいるわけだ。
これを作った頃から、「枕草子」や「いろは歌」にメロディをつけるというアイデアはあったのだが、なんとも気がのらずにそのままになっていた。
でも、いよいよ行き詰まってしまったので、どれだけ時間をかけてもいいから……というつもりで「枕草子」に着手してみた。
で、なんとか形になったのがこれ↓
当初はコード楽器を廃して、チェロとヴァイオリンだけで後ろをクラシックの協奏曲風にまとめたいと思ったのだが、そこまでの腕がなかった。どうしてもコードが鳴ってないと落ち着かないというか、不安になるのが情けない。
でもまあ、これはこれでいいことにする。