一つ前の日記へ一つ前 |  目次   | 次へ次の日記へ

のぼみ~日記 2022

2022/02/23

輪切りにされた大木


最近、すぐそばの道沿いの木が6本伐採された。
散歩に出るたびに、切り株6個を横目で見ながら歩き始める。
いちばん太い切り株が↑これ。多分、樅の木。
冬に入る前、毎年すごい量の花序を落としていた。毛虫のような形なので、一体何の木だろうと調べたら、どうも樅の木らしいと知った。
でかい木だったので、葉っぱは頭上はるかで間近には見られない。幹だけが視界に入るような木だった。

去年の11月11日に撮ったお散歩動画↓より切り取り↑ この花序を落としていた大木だと思う

ああ、伐られちゃったんだなあと横目で見ながら何度も通り過ぎていたけれど、今日は立ち止まってじっくり見下ろしてしまった。
これだけ太くなるのに何年かかったのか。年輪を数えてみたけれど、外側のほう、なぜか濃く色が凍みたようになっていてよく分からなかった。私と同い年くらいだったのかもしれない。そう思うと、なんか切ない。

伐っているところをチラッと見たけれど、最後は短く輪切りにして撤去していた。
あの長さに切ってしまうと、柱とかにはならないだろう。
道沿いに生えていたので、畑が一部日陰になるということで伐ったのだろう。
田舎の暮らしを知らないやつが能天気なことを言うな、と不愉快に思うかたもいっぱいいることは分かっている。だからあまり余計なことは書かないようにしようと思いつつも、この太さ、長さの木が輪切りにされ、ゴミを撤去するかのように運んで行かれたのはちょっと哀しかった。立派な柱や無垢板になっただろうに。
林業関係の業者だと商品として見るけれど、多分、今回は解体業者みたいな業者に依頼したのだと思う。
計画的に育てた木ではないし、製材業者とかへのルートも持たない場合、とにかく安く仕事を終わらせるには……というコスト計算で行われる。
せめて貼り合わせて無垢板として使われるといいのだけれど。
無頓着にチップにされて燃やされてしまうのかなあ。

死んだ後も「社会」は続く

そんなことを考えながら樅の木(多分)の切り株を撮った後、いつものコースを歩いていたら、道沿いの家の玄関先にいたオバサン(婆さま……かな)から「いつも犬を連れて散歩していたかたですか?」と声をかけられた。
「このところ犬の姿が見えないので気になってたんです。もしかして……」
「ええ、死んじゃいました。もう1年以上前です」
……なんて会話が始まり、立ち話を10分くらい。
「うちも去年の6月にネコを看取って、辛かったです」
「何年生きたんですか?」
「保護ネコだったから正確には分からないけれど、14年くらい」
「それならまあ、幸せな一生だったんじゃないですか」
……みたいな犬猫談義。
他にもよく遊びに来ている野良猫が数匹いるそうで、そのうち3匹は避妊手術もしたけれど、手術代が1匹3万5千円もして、10万円くらいかかったとか。
「毛の長い茶色いのもいるでしょ?」
と訊いたら、
「あれはこのところずっと見てなくて、死んじゃったんだと思います」
と言うから、
「2,3日前に見ましたよ。ここで。なんかボロボロでしたけど」
と言ったら、驚いてた。
「じゃあ、まだ生きてるのね。入ってくれば世話してあげるのに、ためらってたのね」
だって。

犬猫だけじゃなく、人間も生きていくのは大変。
その家のそばの家、このところずっと雨戸が閉め切りで人の気配がない。おばあさんがいたはずだけど……。
そのまたすぐそばの家はじいさんがひとり暮らしだったけど、死んじゃって、家もきれいに取り壊されている。
そのまたすぐそばの家は、目の見えないおばあさんが息子さんと二人暮らしだったけど、やはり亡くなった。
玄関前にチェーンが張ってあって、そこに片手をつないでよく日光浴していて、「こんにちは」と声をかけるとこっちに顔を向けて嬉しそうに「こんにちは」と返してくれていたんだけど。
うちのご町内(十数軒かな)でも、ここ数年で立て続けに4人亡くなった。
人口が少ない田舎でも、むしろ都会よりもこうした経験は多くなるのかな。
都会では人が多くても近所にどんな人が暮らしているのか分からなかったりするから。

こんな記事もあって、興味深く読んだ。

自分が死んだ後の「社会」をどれだけ思うことができるだろうか。
自分の作品や思索の証拠を残したいと思う者と、戦争を仕掛けて自分の名を歴史に残そうとする権力者……どちらも根は同じ煩悩なのだろうか、なんて思ったりもする。

懐かしいカメラ

昔の写真フォルダを見ていたら、懐かしいカメラの姿がいろいろと出てきた。


↑コシナの数千円のフィルムカメラは長い間旅行カメラとして活躍した。デジカメが出てくる前だから30年以上前。
一度水没させてしまい、メーカーに送って修理してもらったっけ。数千円のカメラをコシナはしっかり修理してくれた。それ以来、コシナというメーカーは信頼している。


↑コニカミノルタのA200は長所と欠点がはっきりしたカメラで、マクロ撮影では威力を発揮したけど、AFがひどかった。川内村時代のカエルや狛犬はこれで撮ったものが多い。
↑これはA200で撮った


↑パナソニックのLC1はまだ手ぶれ補整機能とかがついてなかった時代の高級機。天井ストロボが威力絶大で、室内でのポートレート撮影では驚くほどきれいな写真が撮れた↓。

↑LC1は天井ストロボができた




↑ペンタックスのスイバル型カメラも懐かしい。面白いカメラだったなあ。
スイバル式(ボディとレンズ部分が回転ジョイントでつながっていて、角度が変えられるやつ)って、消えたなあ。背面モニターが可動式になったから必要なくなったんだな。設計も面倒だっただろうし。

今使っているお散歩カメラはSONYのHX-90Vというちっこいカメラ。
ズーム比がものすごくて、望遠撮影に特化したカメラ。当然、レンズは暗いので室内撮影やマクロ撮影は苦手。それでもそこそこの写真は撮れるので、野鳥を撮るチャンスを逃さないよう、腰からぶら下げている日常カメラはこのカメラにしている。

2月11日、晴れていてさぞ男体山がクッキリ見えるだろうと思ったら、そっち方向だけ雲が出ていた。
これはHX-90Vで撮影

↑上の写真と同じ場所から望遠端で撮るとここまででかく撮れる



↑でも、ちょっと暗い場所だと色味とかがかなりショボくなる。常に後から補整してる



↑室内でもショボいので、これなどは目一杯補整している



ツグミちゃん。こういう写真を撮れるのがHX-90Vの強み


           



ガバサク談義へ
このページの写真は主に SONY HX-90V で撮ってます。たくきのカメラガイドはこちら




タヌパックブックス
狛犬、彫刻屋台、未発表小説、ドキュメント……他では手に入らない本は⇒こちらで

★Amazonでも購入できます⇒Amazonで購入こちら

更新が分かるように、最新更新情報をこちらの更新記録ページに極力置くようにしました●⇒最新更新情報
Facebook   Twitter   LINE


一つ前の日記へ一つ前 |  目次  | 次へ次の日記へ


Kindle Booksbooks    たくきの音楽(MP3)music    目次へ目次    takuki.com homeHOME


Google
nikko.us を検索 tanupack.com を検索