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のぼみ~日記 2022

2022/03/01


つぐみ

2月後半は、このまま新しいメロディが書けなくなるのではないかという不安、諦観に抗い……いや、うまくつき合いつつ、なんとかメロディを作り出そうとしていた。
もう傑作じゃなくていい。「また同じね」と言われてもいい。とにかく作る。形にする……。

しかし、頭に浮かぶメロディはみんないつものパターンっぽい。そこで、悔しいけれど、コードを先に決めて、コードトーンを聴きながら浮かんだメロディを書き留めていく、という作業に徹してみることにした。
これって、多くの作曲家にとってはあたりまえのやり方なんだけどね。

出だしはあの有名なジャズのスタンダードナンバーのコード。ちょこっと変えてるけど、特徴的な進行だからジャズやっている人はすぐに分かるはず。
でも、その後は毎日、起きて譜面を見ては変えて……の繰り返しをしていくうちに、かなり変わったかな。
『つぐみ』というタイトルで歌にするつもりだったので、最低限、歌として無理のない、突飛ではないメロディということを心がけた結果、ジャズのテンション的要因が薄まっていったかもしれない。

歌詞がまったく整わないので、とりあえずメロディだけ形にして……こうなった↓。

ツグミのように、海を越えていくときは集団で助け合い、目的地に着いたら「個」として自由にマイペースで生活する。そんな柔軟で縛られない人生でありたい、みたいな内容の歌詞をつけて歌ってみたいところだけど、できないのよね~。
半年後くらいにはできるかしら。

譜面を書くということ

作曲する際に昔と変わったことはいろいろある。
ひとつは、忘れないうちに譜面に書き留めるようになったこと。それも、昔のように五線紙に鉛筆でオタマジャクシを書いていくのではなく、パソコンソフトでやっている。
MuseScoreというフリーソフト(これがフリーというのは本当にすごい)で、Gスケールの譜面を作る。
私は移動ド相対音感なので、ソフトはカスタマイズして、DのキーでGの音が入力できるようにしてある。
ドレミファソラシ、を、D・R・M・F・S・L・U のキーに割り振っているのだ。
この『つぐみ』の場合、出だしは「ソシドレーソーミーラー……」というメロディなので、S・U・D・R・S・M・L……と入力する。
四分音符は5、八分音符は4、二分音符は6で、テンキーの中央1列に並んでいる。
全音符は上の列の「7」で十六分音符は下の列に行き「3」。
付点はピリオド。タイは「+」キーで付けられる。
オクターブは上矢印、下矢印。コードはCtrl+K、歌詞はCtrl+Lだったかな。
この操作を、1か月もすると忘れてしまうので、しばらく作曲していないと、譜面作りを始めるときにまごつく。脳の老化だわねえ。
コードを入力するとコードを同時に鳴らしてくれるので、不協和音のチェックにも役立つ。

Gスケールで書くのは、Gだとコードが弾きやすいというのと、自分の声の音域に合いやすいから。
Gスケールではない曲にするときは、とりあえずGで書き上げてから全体を移調する。音符だけでなく、書き込んだコードも一緒に移調してくれるので、一瞬にして違うキーの曲の譜面になる。こういうところがデジタル道具の素晴らしさだよなあ。

この作業を、1日短時間やる。集中力が持続しないので、ひとつのフレーズを書いたら疲れて寝てしまう。
次の日に再開すると、前日に作ったフレーズやコードに不自然さやダサさを感じることが多い。そこで、ちょっとずつ修正する。
それを繰り返す。
とにかく時間をかけるようになった。
それがいいことなのかどうかは分からない。昔のように一気に書き上げた曲のような勢いや新鮮さは感じられない。でも、続けるためにはこういう作業しかないのよね。
画家や陶芸家もみんなそうやっているんじゃないかなあ。

↓これは「もうこれでOK」と思って書き上げた譜面を、録音が終わった後にちょっとずつ違っていることに気づいて2回書き換えた変遷の記録。






↑Clickすると拡大


で、ここまでやって、適当に画像つけてYouTubeにUPする。残したいという煩悩から。


こういう生活をいつまで続けられるのか。
かなり危なくなってきた(自分の身体も世の中の情勢も)けれど、もう少し続けてみたい。


↑テレビに映った野鳥にちょっかいを出そうとするのぼるくん。ネコあるある

           

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