2022/07/01
『マイルド・サバイバー』予約開始
7月になりましたねえ。6月がすでに猛暑日の連続で、7月最初の週はむしろ梅雨の戻りのような予報。なんだかもう……。
ちなみに、これが今年70回目の日記。ひと月に10回ペースだなあ。このところ毎年ペースが落ちている。
さて、新刊『マイルド・サバイバー』の再校を戻した段階で、試しに「マイルドサバイバー」をネット検索してみたら、Amazonの購入ページがトップでヒットして驚いた。
もう予約できるの? 早い!
これ、連休が明けた5月10日に今までまったくおつきあいのない出版社の編集者からメールが来たのがきっかけだった。
だいぶ前に講談社から出した新書が面白いので、その改定版的な本を出さないかという内容だった。
今の時代、みなさん余裕を失ってて、生きるか死ぬかという切羽詰まった状況なんだから、社会の矛盾を正しく指摘しても、それを読んでカタルシスを得られるような人はいないでしょ、という、ちょっと塩対応?の返事をした。
もし企画を出すなら、「都会を脱出せよ」「移住するなら北関東」みたいな、具体的なサバイバル策を提示するような本を……というようなことを、いちおう付け加えておいたのだが、その時点ではまったく本を出版する話にまでいくとは思えなかった。
それからいろいろあって、「企画が通りました」となったのが5月26日。
それからもいろいろあって、6月のはじめにはもう原稿を入れて……という進行だった。
ほんとに「いろいろあった」のだけれど、再校を戻してしまった今となっては、なかなかいい本になったと思う。
本が売れる/売れない、というのは未だによく分からない。売れた本というのは、その時代の空気にうまく乗っかったとか、テレビで話題になったとか、いろんな原因があるとは思うけれど、正直、今の世の中の空気が理解できない私としては、「売れる本」の要素を商売脳で真剣に考えるなんてことはもういいや、という気持ちがある。残り少ない人生なんだから、売れることよりも、自分にとって意味のある、やり甲斐を感じられることだけをやりたい。
そもそも、今年の秋くらいには、日本という国が相当大変なことになっていて、本を買って読むどころではないんじゃないか、という思いもある。
だから8月8日に発売になるというのは、とても重要なことだった。10月ではもうタイミング的に遅いだろうと思ったし、10月に社会の空気がどうなっているかが読めないからだ。
一般的な本の出版進行としては相当短期間だが、今まで以上にていねいに書いた。自分の気持ちと世の中の空気感のすり合わせをする、という点では、最初から最後まで徹底的に気も使った。だから、心残りはない。
特にあとがきの部分……かな。このあとがきを書き残せただけでも十分に満足していいかな、という気持ち。
書きながら、俺っていろんなこと経験してきたんだなあ……とも、改めて思った。
PR用のページを takuki.com と note に作ったのだけれど、同じものをここにものせておきます。
予約が増えるとAmazonの仕入れ数も増えるので、ぜひ!
<(_ _)>福助足袋。
で購入は⇒こちら
以下からもご購入できます(Click)
(セブンイレブン各店などで受け取り)
「マイルド・サバイバー」とは?
コロナパンデミック騒動が勃発した2020年以降の世界は、それまでの常識では考えられないような変貌を続けている。食料やエネルギー資源の供給が危機的状況に陥り、それに異常気象や天変地異も加わって、ゲームや比喩ではない、生きるか死ぬかのリアルなサバイバル時代に入った。
「グレート・リセット」の時代などともいわれるが、端的にいえば「今までの常識が通用しなくなり、多くの人は生き残れず脱落し、まったく新しい秩序の世界になる」ということだ。
戦後生まれの日本人は人生の中で飢餓や戦争の恐怖を経験していないので、食べるものがなくなって飢えるとか、都市が壊滅し、あってあたりまえだったインフラや住む場所さえも失うといった事態を想像できない。「不安な気持ちはあるけれど、どうしていいか分からないし、動けない」「今は厳しいけれど、このまま耐えていればそのうちなんとかなるだろう」と諦めてしまうが、その惰性と「正常化バイアス」こそが命取りだ。
しかし、大金持ちや天才ではない「普通の人」は、社会を変えるような力は持っていない。政治や社会体制に怒ったり、間違いを指摘したりしても、それで社会が急によい方向に向かうわけではない。
どんなにひどい社会になっても、従来の生活スタイルや価値観を見直して、合理的な方法を見つけ、自力で生き抜く術を構築していくしかない。
社会を変えることはできなくても、今の生活環境や生活のスタイルを変えることは自力でできる。
悪化していく社会環境の中で、正気を保ち、幸福感を維持するためのささやかな方法論。
ゆるく、賢く生き抜く「普通の人が普通に生きる」ためのサバイバル術。
今まで自分の中で「常識」「絶対」だと思っていた尺度を根底から見直すことから始め、発想の転換と少しの工夫、そしてそれを柔軟かつ合理的に実行していく決断力を持った「
マイルド・サバイバー」になろう。
マイルド・サバイバー生き証人を自称する著者が提案する具体策の数々がここに。
内容
序章 二度の震災被災で学んだこと
- 揺れ続ける我が家を庭から見ていた
- よく行くスーパーの隣で原発が爆発した
- 生死を分ける「正常化バイアス」の怖さ
- 「同調圧力」が招いた悲劇
第一章 間違った「常識」こそが日本を滅ぼすモンスター
- 「リアル・サバイバル」時代がきた!
- 日本はもはや「先進国」ではない
- 思考硬直が命取りになる
- ノイジー・マイノリティにはならない
- 「家族保守主義」の落とし穴
- 抗うよりも柔軟にのりきるという戦略
第二章 まずは今の自分の身を守れ
- 「命あっての物種」
- 原発爆発が東京湾岸の発電所で起きていたら
- 危険度がいちばん高いのは高層マンションとゼロメートル地帯
- 都会人は電動アシスト自転車を買え
- 誰でもできるリアルサバイバル対策
- 必需品は「予備」を買っておく
- 「衣・食・住」ではなく「食・住・通」
- 若い人たちは「生涯現役」の覚悟が必要
- リタイアしてから考えるのでは遅い
第三章 都会を脱出せよ
- 都会に食料が届かなくなる日
- 東南海地震、富士山噴火、首都直下型地震は必ず起きる
- 都市ガス、上下水道は災害に弱い
- 医療・介護も大都市ほど崩壊しやすい
- 二地域居住という「二股保険」のすすめ
- キャリアを捨てられないという固定観念
- 子どもがいるから都会を離れられないという思いこみ
- 都会の「ミニマリスト」は生き残れない?
- 一年間暮らせる預金があるなら仕事は後から考えてもよい
第四章 移住するなら北関東
- 「ほどほど」の田舎がいちばん暮らしやすい
- 年代別、タイプ別の移住先選び
- 認知症老人の一人暮らし
- 年金も預金もない老後の場合
- 役場と地元のお店に行ってみよう
- 北関東こそ魅力度ナンバー1
- 「不人気」地域こそが狙い目
- 土砂災害・水害の危険性のある土地は絶対ダメ
- 迷惑施設建設地として狙われる可能性
- クルマを使えない人は地方移住は無理か?
第五章 田舎物件の選び方
- 今から家を建てようとするな
- 農家の空き家物件は覚悟が必要
- 田舎物件の価格は疑ってかかれ
- リゾート空き家物件の注意点
- 農村に隣接した新興住宅地は狙い目
- 道路と玄関の位置関係
- 設備面でのチェック
- 建物はまず基礎と屋根を見る
- 建物内部のチェックポイントと改装
第六章 田舎暮らしに必要な技術と道具
- 高速光回線とWi-Fi環境
- 田舎暮らしの「足」問題
- 電動アシスト自転車で得られる幸せ
- 最強の移動手段は中古自動車
- 日本には軽自動車がある!
- 不人気車を狙う
- 燃費の差についての考え方
- 田舎暮らしに必要な道具
終章 柔軟で持続性のある分散型地域経済を作るには
- ナチュラリスト思考の移住者と地元民の対立
- 「ほどほど農業(マイルド・アグリ)」のすすめ
- 田舎におけるマイルド・サバイバーの立ち位置
- 一人で始められる商売を考える
- 「仕事ができる大人」が集まる地域社会に
- Amazonでビールを買ってはいけない理由
- 分散型地域社会を構築するためのデジタルサバイバル
- マイルド・サバイバーになる
■おわりに ~ グレート・リセット vs マイルド・サバイバー
- 書名:マイルド・サバイバー
- 発売:2022年8月8日
- 著者:たくき よしみつ
- 種別:新書 256ページ
- 版元:エムディエヌコーポレーション
- ISBN 978-4-295-20410-7
- 価格:1000円+税
- 情報戦争、天変地異、食糧危機、エネルギー危機、経済崩壊……「リセット」世界で淘汰されるがままになってたまるか。金も地位もない「普通の人」が無理なくできる生き残り術を具体的に提案。「マイルド・サバイバー」という生き方とは?
情報戦争、天変地異、食糧危機、エネルギー危機、経済崩壊……「リセット」世界で淘汰されるがままになってたまるか。金も地位もない「普通の人」が無理なくできる生き残り術を具体的に提案。「マイルド・サバイバー」という生き方とは?
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