2022/06/29

SONGBOOK3が滞っているわけ

「たくきよしみつ　SONGBOOK」というアルバムは、実は「2」がいちばん最初に出ている。
女性Vocal作品集として出したのが1998年のこと。今から24年前のことだった。
24年前というと43歳。そんな歳になっていたのか……。
あのときはまだ、自分の声で自作アルバムを作る気持ちになれなかったのを覚えている。
若いときに書いた曲を40代のおっさんが歌うのは恥ずかしいという気持ちがあった。
だから、他人が歌った作品を集めた。

自分で歌うSONGBOOKを作る気持ちになったのは川内村での生活が続いていた2010年。原発が爆発する前年。
SONGBOOK2を出してから干支が一回りしていた。55歳。
これが最初で最後かもしれないと思って、吉原センセや堺あっちゃん敦生にも手伝ってもらい、気合いを入れて作った。
当時はWindowsマシンでCubaseを動かしていた。

思えば30代後半から50代に至るまではKAMUNAの活動がメインで、長い間、歌を書いていなかった。

それからまた干支が一回りしたんだなあ。67歳でようやくSONGBOOK3をまとめる気持ちになった。
こうやって書いていて気がついたけれど、6の倍数年齢の翌年に出しているんだなあ。
（6×7＋1歳、6×9＋1歳、6×11＋1歳）

もはやCDの時代ではないし、作ったところで売れるわけでもないし、ここ10年くらいで作った音楽はすべてYouTubeで公開しているし、アルバムを作って販売ルートにのせることに意味を感じられなかったのだが、「記録」という意味はあるかもしれないと思い直した。

で、まだアルバムに収めていない歌詞のついた曲を集めてみたら、16曲構成になった。

お世話になった伊藤アキラさんも亡くなってしまったし、JASRACを退会して自主管理ということで配信登録しようかとも思ったが、「記録」が目的なら、やっぱりJASRAC登録しておくか……と思いとどまった。でも、これがすごく時間がかかってる。
楽曲データはとっくに準備できているのだが、JASRAC待ちで登録できない。
「いろはうた」の作詞者は「不詳」ではなく「古歌」としてください、とか、いろいろ面倒なやりとりもあって……。

しょうがないから、待っている間にCDも焼くかな……と思うにいたる。
でも、いちばん簡単な紙ジャケットでも500枚で63,700円かかるので、趣味で作るには痛い金額。
考えた末に、バルクで1000枚プレスして22,700円。それとは別にB4の紙にカラー両面印刷してDIYジャケットセットを付属させるという荒技でいくことにした。

↑B4の紙をこんな風に切り折りすることで、ジュエルケースのインレイにもなるし、紙ジャケットにもなる、という方式

こんな感じのものを500枚作って、それが約5000円。合計約28000円

↑表側のレイアウトはこんな感じになった

↑2つ折りインレイの表側。ジュエルケースに収まるようになっている

↑二つ折りインレイの裏側にはライナーノートを入れた

SONGBOOK3のライナーノートを書くために、こんなレコードを引っぱり出して確認した。『森水学園校歌』を書いたのは、林光作曲の「架空の校歌」が頭に残っていたから。それって、なんだっけ……と思って確認したら、「裸の十九才」という映画の挿入歌だった。
今、これを聴きたいけれど、レコードプレイヤーがない。残念。

林光への敬意を払って、『森水学園校歌』の作曲者名は「林田光」としているのだけれど、JASRACは「別名ペンネームを登録してください」とか言ってきて、ハンコ（実印）押した書類を郵送。登録されるまでに2週間くらいかかるとかで、なんかもう、ほんとに疲れる。
でも、爺としては、慌てず騒がず……淡々と……。

しかし、こんなことしてても、死んだときのゴミを増やすだけなんだよね。
ふうううう……。