2023/04/01
高卒社会人ランナーの意地 まつえレディースハーフマラソン2023
3月19日に行われたまつえレディースハーフマラソンを録画で見た。
ゴール前、中村 優希 (パナソニック)と北川 星瑠 (大阪芸術大学・3年)がものすごいスパート合戦を繰り広げて、テレビ観戦でも十分に楽しめた(……と言っては失礼かもしれないけれど、実際そうだった)。
ゴール前、デッドヒートを繰り広げる中村優希(青)と北川星瑠(赤)
前回大会の優勝はゆうかりんなんだねえ
北川は昨年はユニバーシアード代表に選ばれながら、大会が中止になったので幻の代表として涙を呑んだ。
一方の中村は高卒で就職したので、そもそもユニバの出場資格がない。大学に進んでいれば今4年生で、同年代。
大学に進まないと同じ年齢でも「学生最高記録」はとれないわけで、そういう悔しさもあるはず。
どうしても中村を応援しちゃう爺であった。
抜きつ抜かれつをゴール前まで繰り広げ、最後は北川が2秒差で優勝。
大学生上位3人が自動的に今年のユニバーシアード(今年からは「ワールドユニバーシティゲームズという名称になったんだとさ)の代表内定となるので、北川は再び代表入り。
ニュースでは
「北川星瑠が学生歴代7位の好記録で優勝!永長が2位、原田が3位/日本学生女子ハーフ」という見出しで記事にしている。
このレースが「日本学生女子ハーフマラソン選手権」を兼ねているため、学生の1位が「優勝」ということなんだけど、そういう扱いもまた、高卒社会人の中村が可哀想になる。
同年代なのに、学生かどうかで扱いが変わるわけだ。
「2位は日本学生歴代10位の1時間11分03秒で走破した永長里緒(大阪学大2)、3位は1時間11分12秒で原田紗希(名城大1)が入り、ここまでが8月に中国・成都で開催されるFISUワールドユニバーシティゲームズの代表に内定」(
月間陸上競技の記事)。
そうか、
「日本学生歴代○位」という称号も高卒社会人は高校生のときにでも記録を出さないともらえないのか。
これ、考えものじゃないかなあ。
U20最高記録、とかだけでいいのにね。
Wikiによれば、ユニバーシアードへの出場資格は、
- 大会が開催される年の1月1日現在で17歳以上28歳未満。
- なおかつ、大学または大学院に在学中、もしくは大会の前年に大学または大学院を卒業した人。
- プロ選手、アマ選手ともに出場可能。
だそうだ。
例えば、今年の大会なら、昨年3月に大学または大学院を卒業した27歳は出場できるが、20歳の高卒社会人選手は出場できないことになる。
大学生だけが特別扱いって、なんだかねえ。
まあ、箱根駅伝なんかは、関東の大学在学中の男子しか走れないわけだけど。
ちなみに、まつえレディースハーフマラソンはCOVID-19詐欺のおかげで3年間開催されなかった。前回大会は平成31(2019)年で、そのときの優勝者が鈴木優花、ゆうかりん。
ゆうかりんは社会人ランナーを入れても1位で、社会人トップは全体5位(岩谷産業の青木奈波)。
中村優希は2000年8月生まれなので、現在22歳。4年前に高校を卒業してそのまま就職した。
コロナ禍というトンデモな時代にコツコツと努力して、ようやく掴んだ優勝というタイトルだったが、優勝インタビューでもほとんど笑顔を見せず、終始無表情というか、むしろ悲しげな表情をしていたのが気になった。
スポーツも第一線で活躍するようになると、いろんな縛りやしがらみや不条理を経験しなければいけないんだね。
(まえがき より)