2023/05/14
3年半ぶりに電車に乗って上京
今日から銀座のギャラリー路地裏で「大江戸狛犬祭」である。16.00からオープニングパーティだというので、出かけるかどうかだいぶ前から迷っていた。2日前には風邪も引いてしまい、朝起きたらひどいくしゃみ&鼻水が止まらなくなったし。
その症状は葛根湯&イベルメクチンでその日の夜にはほぼ完治。昨日はむしろいつもより身体が軽く感じられるくらいだったので、東武線特急の予約を入れた。
電車に乗るのはいつぶりだろう。調べたら
3年半前に明治大学での沖縄石獅子の講演を聴きに行ったとき以来だった。
東武線特急券は会員登録なしでも買えるようになっていた
今日は1日雨の予報。16.00までに銀座に行くには下小代12.52発で……と、事前に乗換案内でいろいろ調べてもあった。
起きてみると雨は降ってない。いつ降りだしてもおかしくはない空模様ではあるけれど。

助手さんに駅まで送ってもらい、

3年半ぶりにホームで電車を待つ

スマホを見ていて、うっかり特急に乗り換えの新鹿沼駅を乗り過ごすところだった。危ない危ない
久々の電車だからというわけでもないだろうが、いきなりリュックのポケットに入れてあったお茶のペットボトルをどこかに落としてしまい、東武線特急の中では財布が尻のポケットからずり落ちて紛失しかけるというピンチ。
何気なく尻に手を持っていかなければ気づかなかった。怖い怖い。それだけジジイになっちまったってことかなあ。
銀座駅を降りて、事前に何度も地図で確認していたC2出口を出たが、いきなり方向が分からない。Googleマップでルート案内を開始させたが、矢印が変な方向を指してばかりいて、いっこうに目的地に向かわない。行ったり来たりの連続。4分で行けるはずが10分以上かかった。ビルが林立しているのでGPSが正確に反応しないのかな。
で、ギャラリー路地裏というところが、想像をはるかに超えたトンデモな場所だった。
狭いとは聞いていたが、まさかこんなだとは……。

この路地の先、というのはストリートビューを見て事前に知っていたのだが……

は?

身体を横にしないと通れないではないか! 太っている人は無理。大きな作品は搬入も無理だな
では、ここからは10分ほどの動画にまとめたので、どうぞ↓

あたしの到着まで待っていたというオープニングパーティーでの落語

狭い場所なのに、ビックリするくらいいっぱい飲み物、食べ物が出てきた

北海道の国産ワインと岡山からの清酒。飲み過ぎて大変
こんな感じで、ただでさえ狭い画廊に大きなテーブルを出してぎゅうぎゅう詰め状態の宴会を始めたものだから、作品をじっくり撮影することができなかった。身動きが取れないのだもの。
それでもなんとかパパッとシャッターを切ったものをランダムに並べてみるね。作品名・作者名が確認できなかったものは、どうか失礼のほどご容赦を。

田村愛明副隊長の作品「品川宿荏原神社~世界で美しい狛犬~」。狛犬界では伝説の「円丈本」に「美しさにおいてこの狛犬にかなうものはない」と紹介されているので「三遊亭円丈師匠を偲んで」という副題が添えられている。一対40000円

入って左側の壁には平面作品が並んでいる

「狛犬曼荼羅~江戸.ver~」 こま雪

無題 楢喜八

プロはやっぱり違う。ササッとこんなサイン入りイラストも添えられていて……

「瞳の中」 恩田好子

自宅においてある狛犬の絵 海老原眞澄 完成間近で夫さんの風邪をうつされて寝込んでしまったので、背景を夫さんが担当したら、知らないうちに月夜にされていたとのこと

無題 佐藤明子 (切り絵)

「お不動さん」 (水彩画) 大澤康男


「四季の狛犬模様」(手拭い) 西田一成

「狛犬うちわ」 吉良康矢
↓これは右壁面かな……。テーブルを挟んでの位置から無理矢理撮ったのでちゃんと撮れてない。ご容赦を。
左は「風呂と狛犬のフロコマリアージュ」 その右が「2012年「狛犬祭」出品作「あうんのコマケンくん」 その「あうんのコマケンくん」は、現在ちばてつやプロダクションの応接間にあるとのこと メソポ田宮文明


「ひよし狛犬」(焼き物) 谷久恵

「お千代さんと狛犬」(ミニチュア) 川野明正


「わたがし狛犬」 桑久保紀代子 桑久保さんは今回の展示会でも幹事役の一人として大活躍している狛さが隊のスーパー女将

中央が「笏谷石彫 越前狛犬さつきちゃん」(中森あゆみ)


今回の問題作? 「ウサQ タムQ」(綱川潔)
綱川親方は現役バリバリの岡崎石工。全国の神社から受けて新作狛犬を彫ったり、古い狛犬の修復作業もしている。今回のイベントと狛さが隊16周年を祝って、狛さが隊・長谷川うさぎ隊長、田村愛明副隊長のお二人に似せたこんな石彫オブジェを贈呈。20日には綱川親方も来場して、直接の贈呈式が行われるとのこと

お揃いの帽子で、左がうさぎ隊長、右が田村副隊長

この一角の末席に我が「がさつ丸」も鎮座

研究発表的なものや書籍がまとめて置かれているコーナー。手にとってどうぞ

「波浮比売命神社狛犬一対」(写真) 中村達雄

書籍「房総の狛犬 狛犬千万無量」 山元環樹
ヤマゲンも多忙の中、今回のイベントには桑久保姫と一緒に尽力していただいた。感謝

左側は「山口県の狛犬」 藤井克浩

右側があたしの書籍と、イラストなどをまとめたクリアファイルブック1冊(本の左側の緑色のやつ)
そんなわけで、一部漏れていると思うけれどご容赦を。なにせ混み合っていて落ち着いて写真を撮れるような状況ではなかったのよね。2日目以降は落ち着いていると思うので、恐れずに足をお運びくださいませ。

怒濤の宴会が終わり、近所の中華料理店で二次会。この狭い通路をまたくぐり抜けて……

二次会まで残っていたのは半分くらいかな

円卓2つに分かれておいしい中華を食べながらワイワイやりました
いやぁ、飲み過ぎた飲み過ぎた。
画廊内で缶ビール4本くらいとワイン、日本酒数杯ずつ。二次会でも生ビールをジョッキ2杯。
帰りは新幹線。日光線最終の1本前のルートで帰れたのだが、日曜の夜、下り線だというのに満員なのでビックリ。指定席はすでに満席で取れず、自由席もいっぱい。辛うじて若いカップルが並んで座っていた3列席の通路側にお邪魔虫状態で滑り込んで、宇都宮までじっと我慢。
新幹線が、自由席ならモバイルSuicaで普通に改札が通れるようになって楽になった。
飲み過ぎで頭痛を抱えながら帰宅。
しかし、3年半ぶりの東京は、以前とは別の世界だったなぁ。
まだ7割くらいの人がマスクしているし、会話もいろいろ気を遣わなければいけなくなった。あの話題は避けよう……とかね。
帰宅して改めて感じたのは、ああ、今日のようなのがいわゆる「老人会」なんだなあ、自分もその中にいるんだなあ、ということ。
3年半前より確実に身体も衰えているし、気力も続かない。
しかし、ある意味で、老人会は今まで以上に元気だ。街中や電車の中などで見かける若い人たちに生気がないので、対照的にそう見えてくる。
話をしていてなんとなく伝わってくるのは、大変な世の中になってしまったことを自覚して、その分、楽しく振る舞おう、好きなことをしてNK細胞を増やそうとしている人たちと、大変な現実を意識しないように努めて、なんとか今まで通りの生活を摩擦を少なくして続けようとしている人たちに二分されているような空気感。
そんな「老人会」から一歩外に出ると、今まで自分が知っていた(と思いこんでいた)世界とは違う、パラレルワールドのような世界に放り出されたような違和感が待っている。
出かける前から、これが人生最後の上京になるかもしれないという予感があった。最後になるかもしれないから頑張って出ていこう……と。
最後になるかどうかは分からないが、1年後、2年後に東京が、いや、日本という国がまだなんとか持ちこたえているかどうか、大変怪しい。
この時期の空気感を記録しておくために、敢えてこんなことを書いている。
さて、次に電車に乗るときはどんな世界になっているのかな……。(……乗ることがあるのかな?)

このページの写真はSONYのRX100Ⅲと安いシャープのスマホで撮ってます。たくきのカメラガイドは⇒こちら

(まえがき より)