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のぼみ~日記 2023

2023/05/23

THE SECOND 視聴備忘録

結成16年以上(2007年12月31日以前に結成した)プロの漫才師のみが参加資格を持つ「ザ・セカンド」なる賞イベントが初めて行われた。
全国ネットの漫才賞レース番組(M-1グランプリと2011-2014のTHE MANZAI)の優勝者は出場できないという規定もあり、大会の目的は「実力がありながら注目を集めていないベテラン漫才師に光をあてる」ことだろう。
131組のプロ漫才師が参加して、述べ9日の選考を経て、最終8組に絞り込まれるという経過をたどった。
その8組による最終決戦が「グランプリファイナル」と題して5月20日にフジテレビ系列の地上波テレビで4時間10分という長時間にわたって生放送された。
最後の8組に残ったのは、
……の8組(上記順番は16⇒8組に絞られる「ノックアウトステージ」の点数順)。

この8組がトーナメント方式で制限時間6分(6分30秒を超えると減点)で対決し、3回勝ち抜けると優勝、というシステム。
たった8組で4時間以上の生番組を持たせるだけあって、無駄な引き延ばし演出や大量のCM時間があったが、内容はなかなか見応えがあった。

優勝したギャロップは、1回目(相手はテンダラー)ではいつものハゲいじりネタでつまらなかったが、2回目、3回目と尻上がりに違う作風のネタをしっかり演じきった。
応援していたマシンガンズと金属バットが1回戦でぶつかってつぶし合いになったのは残念だったが、マシンガンズはネタを2本分しか用意していなかった中で、アドリブと開き直りだけで3本目もやりきって見応えがあった。
準優勝となったマシンガンズの3本目はこの日の最低点数だったが、爺としてはいちばん笑えたし、感心もした。
普段はゴミ収集清掃員をしている滝沢秀一が目をみはるほど実力を上げていて、西堀亮も年齢と経験による落ち着きが出てきていてよかった。相変わらず早口すぎて、何を言っているのか聴き取れないところがいっぱいあるのだが、昔に比べて落ち着いて見ていられる。困った表情や、言葉が滑って一瞬言いよどむときの感じが特に面白くて、こういうコンビも珍しい。

最大のハイライトは金属バットの「ワクチンね」

……と、前置きが長くなってしまったが、この日の最大のハイライトはトップバッターで出てきた金属バットだった。
「ことわざ」をテーマにした漫才で、「思想強っ」とのツッコミも飛び出すなど、際どいワードを連発。アンバサダーを務める松本人志も「金属バットは、M-1でいつか見られると思っていたので、あえてこれまで見てなかったんですけど、こんな漫才なんやと思って、感動しています」と激賞し、SNSでも「テレビだぞ(笑)」「ぶっこむなー」などの声が飛んだ。マシンガンズに2点差で惜しくも敗退したが、確かな爪痕を残した。(オリコンニュース 5/20

SNS上でも「金属バットあれで負けるんか。ワクチンのくだり最高だったやろ」「金属バットもう1本見たかったなぁ」といった惜しむ声が多数寄せられた。(東スポWeb)

見ていない人には、これらの記事が何を言っているのか分からないだろうから、その部分を文字起こししてみる。



(ボケの小林がツッコミの友保に「諺の意味を教わる」というネタの終盤で)

小林:「鬼に金棒」……どういう意味?

友保:まあ、鬼みたいにただでさえ強いのに、これ来たらもっと強なっちゃうよ~、みたいなこっちゃ

小林:ああ~、あれか。パチンコ屋の中にATMあるみたいなことか

友保:それは「飛んで火に入る夏の虫」や、おまえ

小林:「飛んで火に入る夏の虫」? 「飛んで火に入る夏の虫」ってどういう意味?

友保:危ないって分かってんのに、ついつい飛び込んじゃうみたいなことやねん

小林:ああ~……ワクチンね

友保:思想(つよ)っ! おい! おまえ! おい! おい!

小林:あれやんな

友保:あんた、そっち(ヽヽヽ)なんかい、おい

小林:なんか噂で聞いたんやけどな

友保:いろんな噂あるけどね。みんな違って全部かまへんけど、あんた、ちょっとやめとくわ。堪忍して、おまえ

小林:じゃあ、他のやつ教えて

友保:他なんやろ。まぁ、「嘘も方便」ちゅうのがあるんやけど

小林:あれ? そっちがワクチンか

友保:やめてくれ、おまえ、おい! どないしたんや、ハゲ、こら、おい! どないしてん、おまえ、おい!

小林:いや、噂聞いて……

友保:噂あるけどな~、いろんな噂。なんやねんあれ、マイクロチップ入ってるみたいな噂は

小林:あった、あった

友保:なんやねんあれ。あんなもん入れるんやったら、イコカとかSuica入れてくれ、なあ



 ……とまあ、これが「『思想強っ』とのツッコミも飛び出すなど、際どいワードを連発」とか「ワクチンのくだり最高だったやろ」の部分である。

我が家では彼らのネタが終わった瞬間、まだ1本目だというのに「今日はこれが優勝でいいわ」「……だねえ」と、完全に満腹状態になっていた。

テレビメディアが遺伝子製剤詐欺に対して固く口を閉ざし、ひたすら政府の非道政策プロパガンダに徹していたこの3年間。そこに、ようやく小さいながらも風穴をあける芸人が出てきたかと思うと、一種感慨深いものがあった。
しかし、彼らがどんなつもりでこの「ワクチンね」「やめろ、おい!」のくだりを入れてきたのかは分からない。
よ~く考えると、両極端の解釈ができると気づいた。

1つは、「飛んで火に入る夏の虫=ワクチン」という比喩(というか、どストレートな暴露)を生放送でぶち込むにあたって、自分たちが消されないように用意周到な準備をしたという可能性。
小林はいつものように徹底してアホを装っている(これが実にいい味出していて、うまい)のに対して、ツッコミの友保は強く「やめろ、おい!」「おまえ、『そっち』なんかい」「みんな違って全部かまへんけど」と、いろいろな方面に対して免罪符的な言葉を投げかけている。この構成であれば、誰からも責められることはないという計算から練り上げたとすれば、実に見事だ。

もう1つは、ただ単にこれを悪ふざけの一つとしてやっているという可能性。
友保の「思想強っ!」「なんやねんあれ、マイクロチップ入ってるみたいな噂は」という言葉は、このネタではワクチンが危険だなどという噂はトンデモなデマとして扱っていますよ、そんなものはハナからまともに相手にしてませんよ、というメッセージと取れる。絶対安全地帯に立って、単にお笑いネタにしているという感覚なのかもしれない。
(ちなみに「思想強っ」というフレーズは彼らが発明したものなのか、それとも今の若者言葉として定着しているものなのか、爺は知らないが、小馬鹿にして突き放しているニュアンスであることは分かる)

さらには、ネットサーフィンが趣味という小林は情報を豊富に持っているが、友保は自分ではそこまで勉強しよう、調べようなどという根気は一切なく、ただただ楽しいことや悪ふざけをしながら生きていきたいというタイプで、ネタのすりあわせの中で二人の性格そのものが素直に出た結果……という見方もできるかもしれない。

いずれにしても、8:2くらいにきれいに「分断」された今の社会で、どちらの側からも受け入れてもらえる、しかも意表を突く形で笑いを誘える(その笑いの種類は8の側と2の側で全然違うのだが)。
今、これができるコンビは他にはいないだろうな。
能力的には、空気階段(かたまり)、ハナコ(秋山)、かもめんたる(う大)、あたりは十分できるはずだが、やりきる度胸も場もない。金属バットだからやれた。
そう考えると、実に貴重な存在のコンビであり、その個性と技術に拍手を送るしかない。

……まあ、こんな風に分析されるのは彼らにとっては迷惑でしかないから、書くべきかどうかだいぶ迷ったんだけどね。
それこそ「やめろや! おい!」と、友保からパンチが入りそうである。

真意は完全には分からないが、このネタですっかり小林圭輔に注目することになってしまった。陸上が好きというのもバッチぐー(死語)だしね。


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