一つ前の日記へ一つ前 |  目次   | 次へ次の日記へ

のぼみ~日記 2024

2024/12/17

冬がずれ込む


朝8時半の窓
12月も半ば過ぎになったのに、隣地のコナラはまだ葉が落ちきっておらず、朝日を受けて黄色く輝く。
今年は夏が長かったせいで植物があちこちで変なことになっている。しかし、日照時間は変化することがないわけで、17時ともなるとまっ暗だ↓

17時19分
日本列島はきれいに斜め(/)になっているわけではなく、8時5分くらいの感じで折れ曲がっている。だから、東日本の人たちの日の出・日の入りの感覚のズレよりも、九州などの人たちのズレのほうが大きいらしい。

今日のトラちん。寒いのに出てきて、しばらく一緒に歩く

『現代漫画大観』をさらに2冊入手


昭和3(1928)年発行の「現代漫画大観」全10編のうち、第五編「滑稽文学漫画」に続いて、第一編「現代世相漫画」、第三編「明治大正史」も購入してみた。詳細な文字資料として月刊太陽別冊も購入。
『真・日本史』第4巻を書くのであれば参考になるのではないかという思いからだが、やはり貴重な資料だなと思う。

教科書にまとめてある「歴史上の出来事」の列挙では感じ取れない時代の空気感や庶民の精神風土的なものに触れることができる。歴史を学ぶというのは本当に難しいのだなと、改めて痛感させられる。
昭和初期には女性には選挙権もなかった。関東大震災時の自警団による朝鮮人虐殺そのものはさすがにズバリとは描かれていないが、自警団が広範囲に結成され、人々が流言飛語に怯えまくって平常心を失っていたことはこうした絵に残されていてよく分かる。
学者や研究者が書いた論文や記録も大事だが、こうした庶民が日常的に目にしていた漫画や戯画、三文記事的な文章には、「公式記録」に残りにくい時代のリアリティが染み込んでいる。
第一編「現代世相漫画」の口絵↓

「肥料手配大将と消極そろばん総裁」(岡本一平・画)
肥料手配大将は政友会の田中義一、消極そろばん総裁は民政党の浜ロ雄幸のこと



「見合ひ」(細木原青起・画) 昔の合コンみたいなものか。男女いずれも「こんなはずじゃなかった」「大きすぎる」「小さすぎる」と相手にガッカリしている



「贈り物」(岡本一平・画) 男「こんなもの買ってきた」 女「どうせくれるならじらさずに早くくれたらいいじゃないの」



「金」(北澤楽天・画) 金! 金!! 金には羽が生えておる



第1編の画家陣↑と目次↓



第3編「明治大正史」の口絵↓

「散策の大山元帥」(平福百穂・画) 三色版



「旧(舊)派写生旅行の風俗」(小杉未醒・画) ヂンク版



「錦の御旗」(小川千甕・画) HB版
ここから4枚はわざわざ「HB版」と記している。当時はまだ画期的だったHBプロセスによるカラー印刷がいかにきれいな色を出せるかを示したかったのだろう



「PANの会」(木村荘八・画)HB版



「成金栄華時代」(和田邦坊・画)HB版
これは結構有名な戯画で、見たことがある。軍事特需で格差拡大



「大震火災の象徴」(北澤楽天・画) HB版
関東大震災の火災旋風




大阪では女性の髪型が東京風になったが、京都では槇村府知事が「東京風はあいならぬ。どこまでも西京風を守れ」と命じた。……へえ~、そんなことがあったのか……
左は伊藤博文と大隈重信の対立を描いたもの



山縣有朋死去「死んでからお参りが減る」と皮肉る
ワシントン軍縮会議に出席後、帰国して首相になった加藤友三郎海軍大将を、人々は「残蝋首相」と呼んだとか



これは貴重な記録。関東大震災で各地に自警団が結成され、住民が家宝の刀や槍を持ちだしてよそ者などを警戒した。 このときに殺された朝鮮人の数は未だに諸説あるが、数百人以上のレベルであったことは間違いない



人は恐怖を煽られると理性を失う、ということを、ある視点から描いているといえるか



関東大震災後の食糧配給。隣家の子供を自分の子のように見せて人数分以上貰おうとする人を皮肉っている


2024/12/20

米価高騰



配給にはならないが、米の高騰ぶりが凄まじい。一昨年あたりはコシヒカリが10kgで2000円台だったが、今は6000円くらいする。
農家にしっかりお金が入っているならまだいいが、そういう感じでもなさそうなcc……。
ガソリンや灯油も上がりっぱなしだし、いよいよ大変な時代に入ってきたかな。

今日は金曜日。買い物に行く日だが、助手さんがサンキ(「しまむら」みたいな洋服屋)に行きたいというので、今市まで行った。同じビルの1Fにある「かましん」で買い物を済ませようとしたが、パッとしないというので、結局ベイシアまで行って、戻ってきたらもう3時近かった。

2024/12/21

12 21 3 10 45 96 38
……これは何かというと……
1~10までの倍数と素数、すべてある……の図……苦しいな

温水便座交換


朝、温水便座が寒さで動かない。前にも同じことが起きて、そのときは完全に壊れたと思って新しいのを発注したら、なんとなく動くようになり、その後はだましだまし使っていた。コンセントから抜いてまた入れてとかしているうちに動くようになるのだが、ここ数日はそれでもダメで、昼くらいにならないと動かない。
前に発注した新品が箱を開封しないまま取ってあるので、それと交換することにした。
新しい機種なのでちょこちょこ改良してある。前の機種と同じホースが使えないというのがやっかいだった。
交換はまあうまくいったけれど、問題は明日の朝、冷えた状況でちゃんと動くかだな。

「近代日本漫画集」

「現代漫画大観」の第10編も発注したのを忘れていた。これで1、3、5、10の4冊が揃ったことになる。
第10編は「近代日本漫画集」と題したもので、ビゴーやワーグマンなどの外国人絵師の作品も収録されている。
驚いたのは、洋画家の浅井忠(1856-1907)や建築家の伊東忠太(1867-1954)の作品も入っていたこと。浅井忠や伊東忠太が戯画を描いていたとは!
浅井忠は「当世風俗五十番歌合」という作品集。原本は和綴2冊組で、木版着色刷りだそうだ。その50画の中から20作が収められている。この作品集が発行された明治40(1907)年に、京都にて53歳で没している。

蹄うつかひこそありけれこの駒にしべりあ千里ふまずと思へば
遠く極寒の地に送られる軍馬への情を歌っている。
笛の音をおはれと思ふ人もなし按摩かみしもなさけなの世や
浅井忠が描いた「漫画」があったとは……



犬しもの世をぬすみゆく人びとをとりて屠りて皮はがましを
「犬ころし」という職業?があったのか……

おほ川のにごれるふちにごみしもの人かきよせて流してはいかに
これも「塵さらへ」という職業があったのだなあ……と。いずれも、当時の世相を痛烈に皮肉っている、というか、厭世的というか、深い虚無感を感じさせる


「二科展覧会特別室 見物──なんだこれか」(石井柏亭・画)
裸婦画が珍しかったのだね



「裸婦画を厭う日本にこの風俗」(ビゴー・画) 裸婦画を汚らわしいと言っている日本の銭湯はこうだよ、というビゴーの皮肉



これはあの伊東忠太の作。
上:ドイツ軍がパリに迫る……の図
下:ドイツの警察が日本人留学生・興行師ら数十人を拘禁する……の図



これらもすべて伊東忠太の作



化け物好きの伊東忠太らしい絵。左からトルコ、ルーマニア、イタリア。この3国は戦争でどっちにつくか決めかねているという図



「支那の対日態度」 中国の農民が「おらの畑に出たイノシシなんだから、さっさと置いて出ていけ」と言っているのに対して、日本軍は「まず一服やるべえか」と構えている



この絵の中国人の格好や表情には、中国人に対する蔑視が読み取れる。
浅井忠の作品が格差社会や貧困の悲しさや矛盾を描いているのに対して、伊東忠太の漫画は体制的だとも感じる。
こうした風刺漫画や挿絵は、やはりその時代の空気感を、言葉以上に伝えることがあるのだなあ。
西洋文化に憧れながらも、一方では国粋主義やアジアの隣国に対する屈折した感情も膨らんでいった時代、ということなのだろうか。

『真・日本史』第1巻・第2巻・第3巻発売!


『真・日本史(3) -馬鹿が作った明治』

明治「維新」がいかに愚劣なクーデターであったかを告発する本は多数出ている。本シリーズの第2巻でも、戊辰クーデターは「維新」などと美化されるものではなかったことを順を追って解説したが、そのクーデター後に始まった明治という時代を作った明治新政府は、やはりダメダメだった。副題では思いきって「馬鹿が作った」と言いきっているが、では一体どのへんが馬鹿だったのか。
例によって、講師と生徒一人の対話形式で、講談を聞いているようにスラスラ読める。

 -----内容の一部-----

οゴシップ記事から見えてくる明治政府の主役たちの素顔(女狂いの伊藤博文、渋沢栄一/黒田清隆の「妻殺し」/彼らの裏に見え隠れするロスチャイルドの影)
οないないづくしで発進した明治政府/兵制と御親兵を巡る対立/廃藩置県というクーデター/福知山線事故は明治政府の責任?
ο征韓論という病理/台湾出兵というガス抜き策/欧米にしてやられた以上のことを朝鮮にした日本
ο廃仏毀釈という悪夢/破壊されたのは「もの」だけではなく人々の心
ο司法卿をまともな裁判もせずに斬首・晒し首/西南戦争の実相
ο渋沢栄一成功物語の裏にある藩閥政治/渋沢は日本初の銀行の「創設者」ではない/渋沢と岩崎弥太郎の違いと共通点
ο自由民権運動とは何だったのか?/板垣は藩閥政治が産み落とした鬼っ子/福島事件の実相/板垣は死せずとも自由は死んだ?
ο薩長閥 vs 大隈・板垣の権力闘争/大日本帝国憲法は「伊藤憲法」/大日本帝国憲法という呪い
ο日清戦争への助走/当時の中国と朝鮮もトンデモな政体だった
ο日清戦争と日本の戦争依存症/大院君vs日本の裏工作対決
ο日露戦争勝利という歴史の番狂わせ/ポーツマス条約という「成功」を理解できなかった日本国民
ο満州と朝鮮への進出という毒饅頭/ハーグ密使事件と伊藤の韓国保護政策/伊藤博文暗殺で韓国併合が加速
ο大逆事件と特高創設で終わる明治時代
真・日本史(3)
ISBN978-4-910117-60-7  A5判・172ページ 
Amazon KDP版 1485円(税込)


Amazonで購入でご購入⇒こちら

『真・日本史(1) -縄文時代~黒船来航まで- 1万年の平和を壊し続けた者たち』

弥生時代を築いた渡来人は2系統いた。1000年の「暴力団時代」の後に訪れた奇跡のような戦のない200余年。西郷、大久保、板垣らが「まともな維新」をぶち壊して、イギリス傀儡政権を作ってしまった。
……学校で刷り込まれた日本史を今こそ正しく上書きしよう。講師と生徒一人の対話形式で、スラスラ読める、まったく新しい「真」日本史読み物が登場!
旧版『馬鹿が作った日本史 縄文時代~戊申クーデター編』の前半部分を補完・改定してAmazon KDP版にすることで価格を大幅ダウン。
 -----内容-----
1. 縄文時代~大和王権まで
「縄文時代」は1万年以上/「縄文人」は単一種族ではない/日本列島に殺し合いが持ち込まれたのはいつか/歴史から消された出雲王朝/邪馬台国は南九州にあった/西洋と日本の歴史を戦争の視点で比べる/空白の四世紀/「記紀」という権力者による歴史創作/日本書紀に記された原住民殺戮の記録/聖徳太子は架空の人物なのか?/大和王権成立までの大筋を推理する/ニギハヤヒは鬼伝説となって生き残った/現在も皇室の中に残る出雲の力/現日本人の特質は古代からの混血によって生まれた

2. 江戸徳川政権時代まで
朝廷の弱体化の下で暴力団国家となっていく日本/「下請け」が力をつけて成り上がる時代/合戦の時代に横行した略奪や奴隷売買/権力が弱まっても天皇家が消滅しなかった理由/徳川政権確立までの道のり/家康の「代わり」が務まる人物はいたか/徳川政権創生期を支えた裏方たち/天海とは何者だったのか?/戦争がなくなり開花していく庶民文化/江戸時代の特異性を世界史視点で考える/インカ帝国殲滅のようなことが日本で起きていたら?/島原の乱は「宗教戦争」ではない/「キリシタン」を巡るゴタゴタ/日本が西欧列強の植民地にならなかった理由/人が大量に死ぬ最大の要因は疫病/歴代将軍の治世を再評価/一気に花開いた江戸庶民文化

3. 攘夷テロと開国までの道のり
江戸時代の世界情勢/帝国主義と資本主義/産業革命の条件/ノーベル兄弟とロスチャイルド家/黒船来航前にあったこと/アヘン戦争ショック/ペリー来航前に書かれた一冊の「日本攻略本」/ペリー来航前の日本/マンハッタン号とクーパー船長/日本に憧れたマクドナルド青年/優秀な人材を生かせず、殺してしまった幕府/ペリーは日本の開国に失敗していた/日本を開国させたのはハリス/最高の人材ヒュースケンを殺した日本のテロリストたち/日米修好通商条約は「不平等」条約ではなかった
ISBN978-4-910117-54-6  A5判・134ページ 
Amazon KDP版 1298円(税込)

Amazonで購入でご購入⇒こちら

『真・日本史(2) -幕末史「戊申クーデター」の実相- テロリストと欧米エリートが壊した「維新」』

徳川政権が続いていれば日本の近代化(維新)はずっとうまくいき、イギリスの傀儡政府のようになることはなかった。幕末の「志士」や明治の「元勲」たちの残虐なテロ犯罪を検証していくだけでも、「明治維新」がいかに暴虐かつ無知なクーデターであったかが分かる。

旧版『馬鹿が作った日本史 縄文時代~戊申クーデター編』の後半部分を補完・改定してAmazon KDP版にすることで価格を大幅ダウン。
 -----内容-----
1. テロリストたちが作った幕末史
日本崩壊序曲は水戸藩から始まった/幕末史の重要人物まとめ/優秀な人材はほとんど明治前に消された/幕末のテロ事件一覧/幕末日本に関わった外国人たち

2. 戊申クーデターまでの経緯
生麦事件と薩英戦争が大きな転換点だった/倒幕のキーマンは久光とパークス/西郷らにも影響を与えたサトウの「英国策論」/公武合体派の奮闘と挫折/長州藩唯一の良心・長井雅楽の無念/久光が動く/松平春嶽、横井小楠の悲運/「まともな維新」を不可能にさせた人たち/孝明天皇という最大の障壁/禁門の変という愚挙/中途半端すぎた長州征討/小栗忠順、栗本鋤雲、赤松小三郎らの無念/孝明天皇は暗殺されたのか?/坂本龍馬の実像/「大政奉還」「王政復古」の真実/江戸で大規模テロを起こした西郷隆盛の大罪

3. 戊辰戦争は日本史の恥
「国造りという仕事」を放棄して逃げた徳川慶喜/江戸「無血」開城の裏側/上野戦争の無残/シュネル兄弟と東北諸藩/「ジャパン・パンチ」から読み取る諸外国の動向/庶民が見た幕末を伝える「風刺錦絵」/奥羽列藩同盟結成までの経緯/恩賞原資としての東北侵攻/白石会議による東北諸藩の自衛団結/世良修蔵暗殺で始まった東北戊辰戦争/北越戦争の裏でも動いていたサトウ/東北戊辰戦争の悲惨と理不尽/東軍はなぜ負けたのか/「白虎隊の悲劇」をより正確に知る/二本松藩の悲劇/裏切り・離反の連鎖と庄内藩の孤軍奮闘/最後はイギリスがとどめを刺した/テロリズムと武力が作った明治政府

ISBN978-4-910117-55-3  A5判・162ページ 
Amazon KDP版 1397円(税込)

Amazonで購入でご購入⇒こちら





Amazonで購入   Apple Music   My Sound   Line Music
『いろはうた たくき よしみつ SONGBOOK3』発売♪ ほとんどの配信サイトから試聴&購入できます


           



更新が分かるように、最新更新情報をこちらの更新記録ページに極力置くようにしました●⇒最新更新情報
シェア用ボタン↓
Facebook   Twitter   LINE



一つ前の日記へ一つ前 |  目次  | 次へ次の日記へ


Kindle Booksbooks    たくきの音楽(MP3)music    目次へ目次    takuki.com homeHOME


Google
nikko.us を検索 tanupack.com を検索