2014/06/20の2

 今年も池にモリアオが産んでいた

雨が強くなる中、家に向かう。
まずはモリアオの卵を確認。
マツモ池の上に1個。池の水に溶けたやつもあるから、ここには2個産んでいる。
雨池をいちばん重視していたのだが(去年もここに大きいやつを産んでいたし)、なぜか今年はゼロ。
土手池、低い位置に特大のやつが1個。
弁天池は一見するとゼロなのだが、真下から見上げると、かなり高いところに2個。
合計6個は確認できた。
えらいぞ。待ってろよ、今、水を足すからな。

沢からの引き水はなんとかちょろちょろ出続けていたので、まずはそれをマツモ池に。

マツモ池の上。よく見ないと分からないが産んでいた


ちょっと小さめ。かなり時間が経っている。乾きすぎている感じもあってちょっと心配


土手池のやつは特大サイズ


土手池の水は干上がる寸前。これでは孵化しても生きられない


かなりでかい♀が産んだのだろう


マツモ池に落ちた残骸。オタマがわずかに残った水の中で生きているといいのだが


オタマが生き延びていることを祈りつつ、水を入れる


これはぱっくり割れた状態でなかなか落ちられないでいた卵。割れた口が上を向いていると落ちられずに干からびてしまう


このままだと生きられないので、雨池に卵塊ごと入れた


弁天池のはすごい高さに産みつけたなあ



設備屋さんが来て、深井戸の水が出ることを確認。
台所の配管割れは今日は修理ができないというので後日。
トイレの配管詰まりはその場で直してくれた。僕が睨んでいたのとは違うところが詰まっていた。さすがプロは経験がものをいう。

設備屋さんは、みんなが避難していたときもさっさと村に戻ってきていたそうだ。
「避難解除のことをいろいろ言う人がいっけど、いつまでもそんなこと(賠償金のこと)言ってたって前に進まねえもん」
でも、設備屋さん、うちの周囲を見て「除染はしてもらったの?」と言う。
草木を切られるのは嫌だから断ったと言うと、「今からでも頼めばしてくれんだぞ。きれいになっぞ」と勧める。
村の人たちにとって除染は、線量を下げることより「家の周りをきれいにしてくれる」「道がよくなる」という感覚なのだ。飯舘村の村長も同じことを言っていた。「除染してもらうと家の前の道がよくなる」と。
線量はもうだいぶ下がっている。家の中は0.2μSv/h以下。外でも0.2~0.3μSv/hというところか。
この数値、福島市内、郡山市内であれば上出来、御の字だ。

平伏沼から降りてくる道沿いに、一か所、フレコンバッグが積んである場所がある。その横にはdocomoのアンテナが立っていて、そのアンテナの下の土を削って「除染」し、その土をそのまま道の脇に積んであるのだ。
なんの意味もない。
そんな場所、誰も通らないのだ。
アンテナの保守点検の作業員が来ることはあるだろうが、年に数回あるかないかだろう。しかも、アンテナの下の土を剥いだからどうこうというわけじゃない。
しかし、その「除染」をするのに、しっかり金がかかっている。我々の税金だ。

やっているのは地元の土建業者だから、仕事が与えられて金は入る。ただ、それだけのための「除染」。
そんなのがあちこちで行われているわけだ。

さあ、水が出るようになったので、雨池に水を入れ、そこから土手池、弁天池と、次々に水が流れ込んでいくのを確認。
これでしばらくは大丈夫だろう。



暗くなり、去る前にスタジオのウッドデッキから下の沢を見下ろす。
これを愛ちゃんたちと一緒に作ったときのことが思い出される。今はもう、掃除をする元気も出ない。
もう一度ここで何かをする日は来るのだろうか……あとは死ぬために戻るだけのような気がする。


夕闇迫る中、主を失ったタヌパック阿武隈


今年はヤマボウシがきれいに咲いた


毎日この景色を見ていた日々があったのだなあ……

奥のさとーさんのきよこさんは無事だったが、ふさこさんは小野町の病院に入れられてしまったという。
きよこさんの娘さんのふみこさんが車を停めてくれたので、しばし立ち話。
「ばっちゃんがここで一人で長生きしているから、こうして兄弟がときどき集まってくるんだよ。だから長生きするんだよ、って言ってんのよ。
でも、ばっちゃんがいなくなったらどうなるのかねえ。
おらも、毎日朝起きるのが辛くて。同じこと繰り返すだけの毎日だから。除染の仲間の顔を見るのだけが楽しみなんだ」

ずいぶんささやかな楽しみだなあと、ちょっと辛い気持ちで話を聴いていた。
同居していた子供一家が村を出て、孫の顔も見られなくなり、夫婦二人だけの生活。早朝起きて、弁当を作って、除染に行って、日当を稼いで、疲れて帰ってきて、寝て、また起きて、弁当を作って……。
その合間を縫って、こうして十数キロ離れた実家に、母親の様子を見に来る。病院に送り迎えしたり……。

老人たちは畑を奪われて、毎日の生活のリズムを崩し、生き甲斐を見失い、命を縮めていく。
かあちゃんたちは除染作業員という、そこそこ日当のいい日雇い仕事が舞い込んできて、それに明け暮れる日々。
とうちゃんたちは、一人月10万円がなくなった後の仕事、稼ぎなどを計算しながら、もやもやとしながら歳を取る。
若い世代はすっかり嫌気がさして、避難先の町に住み着き、戻らない。
……こんな感じなのだ。言葉で説明しても、都会で生活している人たちにはなかなか分からないと思う。

掃除や草刈りをして、荷物の一部を車に積んで、暗くなってから出発。今回はやることがいっぱいあって疲れた。
弁天池の2つの卵塊は無事に育つだろうか。シロはまだどこかで生きているのだろうか。いろんな思いを置いていく。

前回見つけた小野町の台湾料理店。チェーン店らしい。トマトサラダ380円


回鍋飯 580円


サンラーメン 680円

夜11時前に日光に戻ってきた。
待てよ、今ちょうど蛍の時期では? と、去年蛍の乱舞を見た場所に車を停めて川のほうに歩いて行くと、おお、今年もたくさん飛んでいる。

蛍は川内村の家ではたまにしか見られなかった。乱舞するまではいかない。日光もけっこうだね


しかし、もう一か所の乱舞エリアは、今年は道の拡幅工事をしていて、蛍はまったく飛んでいなかった




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