我が家の車はプジョー307SW(2000cc。購入時の車輌金額37万5000円)とX90(1600cc。中古で購入時は35万円)の2台だが、X90は平成8(1996)年11月登録なのですでに22年経過。だいぶ前から毎年「13年超の車への増税いじめ」対象になっていて、乗らなくて置いているだけでもとんでもない税金を課せられる。
自動車税は毎年45400円。重量税は18年超でさらに増税され37800円。合計で83200円。
ちなみに、同じ車重で1600ccの車が13年未満であれば、それぞれ39500円、24600円(エコカー認定なら15000円)だから、19100円も増税されているという不条理。
毎年、納税時期のたびに憤慨して日記にも書いてきたが、こんな悪政をしているのは日本だけだ。
それも「自動車メーカーの新車販売促進のため」と正直にいえばいいものを、環境負荷を理由にしているのが許せない。製造の時点で大きな環境負荷を生み出している自動車は、きれいに動く限り長く乗り続けることこそが環境負荷を減らすことになるのは自明の理。
そもそも、うちでは車で毎日通勤しているわけでもなく、買い物などはX90ではなく307SWのほうを使うので、X90を所有していることでの環境負荷なんてほとんどないのだが、持っているだけで年間十数万円飛んでいくのは理不尽極まりない。
いじめられてもX90に乗り続けていたのは、大きく2つの理由からだ。
- 買い換える金がない⇒買い換えるよりも増税や燃費の悪さに耐えて乗り続けたほうが安い
- 手放すにはあまりにも惜しい魅力的な車である⇒外から見ているだけで幸せになれる車なんて他にそうそうない
1)をさらに説明すると……、
X90をあと6年乗るとすると、
- 自動車税:45400円×6=27万2400円
- 重量税:37800円×3=11万3400円
- 重量税以外の車検整備や諸税・自賠責保険など:約7万円×3=約21万円
- 任意保険:約27000円×6=16万2000円
で、合計約76万円。
これにはもちろんガソリン代や消耗品代は入っていない。
タイヤはまだ新しいから、あと6年大丈夫だとしても、だ。
一方、軽自動車であれば、
- 自動車税:7200円×6=4万3200円
- 重量税:6600円×3=1万9800円
- 重量税以外の車検整備や諸税・自賠責保険など:約4万円×3=約12万円
- 任意保険:約24000円×6=14万4000円
で、合計約33万円。
半分以下。
X90を手放して軽自動車にすれば、およそ43万円の経費節減ができる。
ガソリン代も当然、軽のほうが燃費がいいので、半額とはいわないまでも6割くらいにはなる。
年間2000km走ったとして、X90の燃費はリッター8kmくらいなので、155円/㍑なら年間3万8750円。
軽がリッター13km走ってくれれば、年間2万3840円。ざっと年間1万5000円、6年で9万円の節約になる。
二人の親の介護のためにこれから車の出番が多くなることを考えると、軽く10万円の差にはなる。
それらを合計すると、軽に乗れば6年間で55万円は節約になるだろう。
となると、買い換えの追加出費が55万円だとすると、それが回収できて節約に転じられるのはおよそ7年目からということになり、60万円以上かけて買い換えたら、今後6年間はむしろマイナスなのだ。
しかし、軽自動車は庶民の足として必要不可欠なので、中古でも値崩れしない。
2)については、金額に換算できない幸福感が大きい。
X90は1995年10月-1997年12月の2年間しか製造されておらず、日本国内での総販売台数は1,348台にすぎない。今も現役で走っているX90は3桁あるかどうか。ちなみにこれを書いている時点で
カーセンサーで検索しても全国で3台しかなく、いちばん安いのが支払総額45万円(走行10万キロ)。いちばん高いのは支払総額98.7万円(走行6.8万キロ)
我が家のX90はまだ6万キロに入ったばかりで、日本でこれだけ走行キロ数が少なく、普通に問題なく走るX90はもはやほとんど存在していない。
こんな貴重な車をみすみす手放していいはずがない。死ぬまで乗り続けるつもりだった。その精神的な価値を考えれば、年間5万円くらいの負担増なら黙って呑み込みたい。
しかし、貧乏暮らしの我が家にとっては、増税いじめに耐えるのも限界に近づいていた。
それに、うちのX90は、最近は助手さんが乗ることが増えた。施設に入った母親の世話、病院への送り迎えなどに使っている。助手さんは307SWは大きいから運転したくないというし、介護施設の前の道や駐車スペースは狭いので、僕も施設に行くときは307ではなくX90で行くことがほとんどだ。
助手さんに確認すると、X90は可愛いし好きだけれど、珍しい車だからどうという価値観はまったく持っていないという。
となれば、助手さんのためには、やはり軽自動車のほうがいいんだろうなあ……。
しかし、助手さんはデザインにうるさい。最近のロボコップみたいな車は大嫌い。軽でもその手のデザインが増えたが、そんなのは論外。
好みとしては丸目で可愛いやつとかレトロなやつ。となると、具体的にはダイハツならミラココアやミラジーノ、スズキならアルトラパン……かなあ。
当然、新型は高くて買えないので、買えるとしたら10年落ち、よくて8年落ちくらいだろう。
ダイハツ ミラココア(2010年モデル)
ダイハツ ミラジーノ(2004年モデル)
スズキ アルトラパン(2007年モデル)
で、X90の代わりとなると、やはり4WDにしたい。色もこだわりたい。あまりに古い車では燃費も悪そうだし修理に追われるかもしれない。せいぜい10年落ち、できれば10万キロ以下。出せる金は頑張っても40万円くらいまでか……と絞っていくと、そんな車はないのだ。
たまに気晴らしというか、気分転換にネットでそんな車を探してみるが、どれも50万円を軽く超えてしまう。特に4WDは壊滅的にない。
50万円も60万円も出すなら、増税に耐えて、X90を「うちの車」にし続ける満足感を選ぶ。
ところが、昨日たまたま「お? これは?!」と思う車を見つけてしまった。
10年落ちのアルトラパン4WDで7万キロ台。色もいい。それが17万円(車検をつけて総額24万円)というのだ。X90に数万円の下取り価格がつけば、出費は10万円台まで抑えられる。となれば、来年中にその出費は回収できてしまうではないか。
こんな破格の車はまずない。「修復歴あり」とあるが「軽微なものなので走行には問題ありません」と書いてある。
店に電話してみると、「出したばかりだからまだあるよ~。見に来る? いつ?」と、なにやら中国人っぽい人が出た。
店のオーナーなのか? それともバイトの中国人なのか?
一抹の不安を感じながらも、これはすぐに売れてしまうなと思って、助手さんと相談し、急遽、埼玉まで見にいくことにした。