2019/07/19
フジフィルムXQ2というカメラ

左からXZ-10、P340、XQ2、RX100Ⅲ

XQ2(上)とXF1
オリンパスのXZ-10を常用カメラにする前は、しばらくの間、フジフィルムのXF1というお洒落なカメラを持ち歩いていた。
フジが独自に開発した2/3型センサーを搭載するコンパクト機で、レンズ周りのリングを回すことで電源ONにし、レンズ部も飛び出すという変わったアイデアのものだった。
お洒落でよかったのだが、XZ-10と比較するとマクロに弱く、色味も地味で、昆虫やカエルなどをド~ンと撮ると、XZ-10のほうが迫力のある楽しい写真になった。それでXF1は引退し、XZ-10がずっとレギュラーの座を守ることになったのだ。
このXF1の個性的な機構は一代限りで終わり、後継機種としてはXQ1、XQ2というのが出た。XF1の性能をUPさせてさらに小型化させたという触れ込みだったが、これもXQ2を最後に消えてしまった。
このXQ2はどのくらいの実力なのか、実際にXZ-10やRX100Ⅲと比較してみた。
まずはフィルムメーカーらしくカラーモードが「プロビア」(いわゆるスタンダード)、「ベルビア」(ヴィヴィッド)、「クラシッククローム」などと選べることになっている色味。フジのカメラは、色味が落ち着いていて嫌みがないというので、熱烈なファンがいる。私はXZ-10の濃いめの色が好きなので、それもXF1からXZ-10に乗り換えた理由の一つだったが、こればかりは好き好きだからねえ。
フィルムモード

↑プロビア(Standard)

↑ベルビア(Vivid)

↑クラシッククローム
これって、他メーカーもやっているカラーモード選びをフィルムの名前でやっているだけで、別にフジフィルム独自の技術ではない。個人的にはフジのこのセンサーは色味が薄すぎて物足りない。風景をユトリロの水彩画みたいに写したいとかいうならまだしも……でも、それも後から画像ソフトでいくらでも加工できるしねえ。
近接撮影での比較

↑XQ2 ↓それをIrfanViewで一発補整


↑ソニー RX100Ⅲ ↓一発補整後


↑XZ-10 ↓一発補整後

このショットは、XZ-10のセンサーの小ささによる弱みが若干現れた感じ。XZ-10はマクロや望遠では強いのだが、このくらいの距離だと、大きなセンサーのカメラとの画質の差が若干分かるかなあ……。でも、パッと見、全然違わないか??
逆に、XQ2は、望遠やマクロに弱い。XZ-10のように望遠端で寄ることができないし、望遠のときも小さな相手にピントを合わせづらい。レンズの望遠性能も弱いので、後からトリミングして拡大しても汚い写真になりがちだ。

↑XQ2 そんなに離れていないのだが、望遠端だとかなり画質があれる。↓デジタルズームだとさらにあれる。


↑RX100Ⅲ このカメラもズーム域が狭いので、↓デジタルズームで2倍にしたところ、こうなる。


↑XZ-10は光学ズームだけでこれだけいける↓


↑XQ2

↑RX100Ⅲ

↑XZ-10

↑XQ2 これ以上寄れないので、トリミングで拡大

↑RX100Ⅲ 同様に、トリミングで拡大

↑XZ-10はズーム端で寄れるので、光学ズームだけでここまでいける。
広角端での比較

↑XQ2

↑RX100Ⅲ

↑XZ-10

↑XQ2

↑RX100Ⅲ

↑XZ-10
カメラによって、得意なシーンと不得意なシーンがあるってことかな。だから、人によって「いいカメラ」「好きなカメラ」は違ってくる。そういうことでいいのかしら。
私の場合は、XZ-10のマクロ写真の面白さにすっかりはまってしまって、今ではそれがあたりまえになっているから、他のカメラの評価が厳しくなるのかもしれない。
一生カエルもカマキリもテントウムシも撮らないっていう人も多いだろうし。
風景やペット、人物のスナップ写真などだけ撮るのであれば、XZ-10は、極端に動作が遅くて、スマートさもないし、なんじゃこりゃ? ってことになりそうだ。だからまあ、マクロや望遠にこだわらない人なら、いちばん小さくてお洒落なXQ2で大満足ってことになるのかもしれないし、とことん画質にこだわる人はRX100Ⅲを選べば安心するだろう。
というか、今はほとんどの人がスマホで十分満足しているのかもしれない。

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