のぼみ~日記 2023

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2023/08/25

世界陸上まとめ(2)

男子200m準決勝前にあわや大惨事の事故が

男子200mは飯塚翔太と鵜澤飛羽が準決勝に残る健闘。
ところが準決勝がなかなか始まらない。サブトラックから競技場に選手を運ぶカートにトラブルがあって、1組のレースを最後に回すという発表があった。
ところがその「カートのトラブル」は、カートが故障して動かなくなったとかではなく、カート同士の衝突事故だった
その動画を見てビックリ。変型三叉路で派手にぶつかっているではないか。
画面左側から来たカートが二輪車と歩行者のわずかな間をすり抜けようと、徐行もせずに突っ込んでいる。
選手を乗せたカートは左側からぶつけられている。

↑左側から突っ込んできたカートが選手を乗せたカートに激突



↑カート内で、飛び散ったガラス片が目に入って苦しむアンドリュー・ハドソン選手(ジャマイカ)

1組には断トツの優勝候補 ノア・ライルズ選手(米国)や日本の飯塚翔太選手も入っていた。飯塚選手は負傷したハドソン選手のすぐ前の席にいた(↑)。
「どっちのカートもブレーキしなくて、ノンストップでボンッと。僕とライルズ(米国)と(後ろに)ジャマイカの選手がいた」(飯塚・談)
ぶつかってきたほうのカートからはボランティア1人が投げ出された。
カートのすぐそばを歩いていた人たちもあやうく巻き込まれるところだった。
重症者や死者が出ていてもおかしくないようなひどい事故だったのだ。
ハドソン選手は目の負傷を訴えながらも準決勝を走ったが20秒38で1組5着。一緒に走ったライルズらと一緒に「こんなのフェアじゃない。決勝を走らせろ」と抗議して、その間、飯塚は彼らのバッグを持ってそばで見ていたという。
結局この主張が通って、ハドソン選手は救済措置で決勝に進むことになった。
こんな事故に遭遇しながらライルズはいつものように明るいパフォーマンスを見せ、19秒76というとんでもないタイムで軽々と決勝進出。
決勝でも19秒52(-0.2m)でぶっちぎりの1位。3連覇達成。

いろんな意味で強い。強すぎる。

男女35km競歩

川野将虎が粘って3着。前回の競歩陣ができすぎだったせいか、男女合わせて銅メダル1個は物足りない感じがしてしまうが、世界陸上でメダルをとるというのは凄いことよ。
女子35km競歩では園田世玲奈が7位入賞。前回のオレゴン大会では当時の日本最高記録を出すも、8位と7秒差で入賞を逃していただけに、嬉しい入賞。
苦しい場面では、前日に腰椎捻挫のため欠場となった日本記録保持者・岡田久美子(富士通)の顔が浮かんだ。「出られない岡田さんが一番悔しいと思う。その分もがんばろう」。レース前には「がんばってね、と温かい言葉をいただきました」。
月刊陸上競技

ちなみに今回の競歩は、35km、20kmの両方でスペインのアルヴァロ・マルティン、マリア・ペレスが二冠達成で、スペインが完全制覇。これは五輪を含む世界大会史上初のことだそうだ。

その他、男子槍投げ、走り幅跳び勢は全員予選敗退。

2023/08/26

女子槍投げで北口榛花が金メダル!

これは驚いた。
5投目を終えた段階で4位。ほとんど諦めていたら、最後にドカ~ンと66m73(自身の日本記録67m04に次ぐ自己2位の記録)を出して逆転優勝。

ネットでは「ハイチュウ2個」がトレンドワードになるという珍事?





しかし、単に女子投てき種目史上初の世界大会金メダルという裏には、いろんなことがあるのね。
「もうすぐ、フィンランドで世界のやり投関係者が集まるカンファレンスがあるんで、そこに行くんです」と北口。「すごい、そんなのがあるんだ。そこで何かつながりができるといいね」。おおむね、そんな会話だった。
その『ワールド・ジャベリン・カンファレンス』で出会ったのが、現在も指導を受けるチェコ人コーチのディヴィッド・シェケラック・コーチだった。

懇親会で、ポーランドとチェコのコーチが談笑しているところに「ちょっとおいで」と手招きされた。

「俺たち、君のこと知っているんだよ。世界ユースも見ていたし、U20世界選手権のときは泣いていたよね」

そう言うと、動画サイトを開いて、北口の投てきの『即席、分析会』が始まった。「走るのが遅い」などと指摘され、練習環境を聞かれた北口は「今は大学生で先輩たちと一緒に練習していて、専門のコーチがいない」と説明。4人の表情が一変した。
(月刊陸上競技 向永拓史)

優秀な師と出会えるかが人生を大きく左右するということを痛感させられた。
シェケラ ベイベー!!

チェコ語でインタビューを受ける北口。これぞ心技体すべて「世界レベル」。

女子マラソン

松田瑞生 13位、加世田梨花 19位、佐藤早也伽 20位。後半は30℃を超える高温多湿の中で、棄権する選手も続出。
松田は脚を痛めていた中で悲壮感漂う出場だった。すごい根性。まさに「生き様」を見せてもらったよ、み~ちゃん。

女子5000m決勝で田中希実が8位入賞

これはビックリした。単純なタイムや着順ではない。
アフリカ系のトップランナーたちがペースを上げ下げして揺さぶり続けるあのレース展開で、最後まで勝負できる力を持っていたとは、本当に驚き。そんな日本選手は男子も含めて田中希実しかいない。
8位の田中希実より上位でゴールした7選手はすべてアフリカ勢(2位のハッサンはエチオピアからの難民でオランダ国籍取得)。

入賞者でアフリカ系(さらにいえばケニア、エチオピア)以外は田中だけ。優勝まではあと5秒弱という差だった。

レース後のインタビューで、珍しく涙ぐんで軽く嗚咽する姿も印象的だった。


40kmまでワクワクさせてくれた男子マラソン

男子マラソンはまったく期待していなかったけれど、山下一貴選手が予想を超えた健闘だった。
40kmあたりでは5位。メダルまであと20秒差くらいだった。
解説の金哲彦「メダルの可能性がうっすら見えてきましたよ」
……確かに「うっすら」だった。濃くなる前に消えたけれど、もしや?と期待させてくれた。ありがとう。

↑一時は先頭に立って揺さぶりをかける場面さえあった

日本選手の入賞は11

北口榛花の金メダルが強烈だっただけに、他の種目での健闘ぶりがかすんでしまった感があるが、改めて振り返ると入賞11は過去最高なのだそうだ。

日本選手の入賞種目一覧


月刊陸上競技 より)


特に凄かったのは、
男子110mハードルの泉谷駿介……この種目日本選手の決勝進出は初。足をつっても5着。
男子3000m障害の三浦龍司……6位入賞。戦いっぷりも気持ちよかった。
女子10000mの廣中璃梨佳……先行逃げ切りではなく集団で競い合っての7位。
女子5000mの田中希実……これまた競い合っての8位。

世界はなんとか続いていくのか?

毎日、テレビ観戦が続いて疲れたけれど、自分には到底真似できない人たちの驚異的なパフォーマンスを見ているうちに、これから先、どれだけ邪悪な空気が世界を覆っていこうとも、社会がどれだけ痛めつけられ、グチャグチャにされようとも、人間は粘り強く生き続けていくかもしれない、という望みを抱きたくなる。

しかし、数々のドラマを生んだ世界陸上だが、↓このことはひたすら封印されている。

ロシア、ベラルーシ両国の選手はブダペスト世界陸上への出場が認められなかった。世界陸連からの制裁の内容は以下の通り。

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・国際競技会、欧州競技会の開催不可
・議会での代表権、または議会の投票を必要とする決定への参加不可
・WAシリーズ大会への参加資格を認定しない
・連盟の職員によるWAの公式な育成プログラム、専門家プログラムへの関与不可
・ロシア/ベラルーシ国籍の競技者、競技者サポート要員、役員・職員は、WAシリーズ大会から除外される
また、参加制限を解除するために満たすべき条件を助言・勧告する作業部会が設置されることが承認された。

(月陸編集部より)
------

昨年より継続する制裁により両陸連の出場が認められなかった主要大会は、ベオグラード世界室内、オレゴン世界陸上、ミュンヘン欧州選手権、イスタンブール欧州室内、ブダペスト世界陸上など。来年のパリオリンピックについては未だ不透明のままだ。

「スポーツは世界を一つ」にはしない。
スポーツに「世界を一つにする力」があるとすれば、それは怖ろしいことでもある。
感動はいかようにも利用されるし、利用できる。
すべてを見通した上で、人間社会のこと、人間のことを考えるきっかけとしてスポーツの感動を取り込みたいものだ。

そんな世界陸上が開催されたハンガリー・ブダペストでのタッカー・カールソンの演説も一聴の価値あり↓


誠実と無知は紙一重だが、いわゆる「善良な人々」がこれだけはっきりと分断されていながら、今はまだ表面上は平穏な社会が保てている。
この「無知の強さ」をグローバリストエリートたちは簡単かつ大胆に利用する。その結果が今の世界だが、一方で「強さ」には様々な要素が含まれており、それゆえに、「エリート」たちが最後までコントロールしきることは難しいのかもしれない。

とりあえずは「マイルド・サバイバー」に徹していくしかないな。
そんな生活の中で良質な感動を与えてくれたアスリートたちに感謝したい。

『神は成長する 霊肉二元論の向こう側』
肉体と魂といった単純化された霊肉二元論を超えて、「私」という意識は脳(肉体)と個性を持った神が結びついて生成されているという思考モデルを展開させた「(カミ)」論。
後半では2020年以降の「リセット世界」「人間を機械化した専制世界」という企みにどう向き合うかについても触れる。
読みやすいよう、本文フォントには大きな16級明朝を使用。
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(まえがき より)
重曹とかいろいろ
免疫落とさないようにしましょうね。

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