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のぼみ~日記2016

2016/10/07


「日常」を取り戻したい



介護が必要となった認知症の親父につき合っていて、自分の残りの人生をどう生き抜けるのかというテーマが、一気に切迫してきた。
脳を含めた肉体の衰えにより、体力、集中力、作業の効率がどんどん落ちていくのは仕方がない。それを嘆くのではなく、まだ残っている機能に感謝して残りの人生を生き抜くことが大切だと、特養専属医師の中村仁一氏は説いているわけだが、「残っている機能」をフル活用するだけでなく、歳を取って今までより有利になった部分に着目することが大切だろう。

演奏家なら、年老いて指先が動かなくなり、アクロバティックな速弾きができなくなっていくことを嘆くのではなく、指が動かない分、どれだけ演奏するフレーズに深みを与えられるかをじっくり考える余裕を与えられる、と思えばいい。結果として、今までより魅力的な演奏家になる可能性も出てくる。

若いときには「そんなのは恥ずかしい」と思ってやらなかったことを、歳を取ることで開き直り、あるいは子供のように素直に向き合えるようになってできる、ということもある。

例えば、僕はずっと作詞については自信が持てなかった。詩、特にメロディにのせるのを前提とした詞というのは、複雑な思いや共感を得られる感情をいかにシンプルな言葉の組み合わせで「言い換える」ことができるか、というゲームだと認識していた。
その達人は例えばユーミンで、「カンナの花が燃えて揺れてた中央分離帯」なんていうフレーズには、本当に「まいりました~」と唸ったものだ。

僕の文章書きとしての最大の欠点は、正確を期すあまりに文章が長くなること。俳句のようにスパッと切り取る、まとめる能力が劣っている。
作詞はそれができないとダメ。
しかし、ある時期から「歌の詞は恥ずかしいくらいシンプルでちょうどいいんじゃないのか」という悟りが降りてきた。
書いたときは「いくらなんでも粗いな」「ここまでストレートだと恥ずかしいな」と感じるくらいの歌詞が、1年後くらいに聴くと、「ちょうどいい」と感じるのだ。
バカラックにとってのハル・デビッド、中村八大にとっての永六輔などなど、名曲を生み出した作詞作曲コンビでは、天才メロディメイカーに対して作詞があまりにもシンプルでストレートすぎるんじゃないか、という組み合わせが多い。それでもいいんじゃないか、と。
(でも、やはりハル・デビッドの歌詞はいくらなんでもストレートすぎるだろう、とは思うけれどね)

……おっと、またうだうだと長く書いてしまっている。いかんいかん。

というわけで、親父の介護日記の間、ときどき思い出していた「スムースエンカ」の実験。ようやくひとつまとめてみた。
ポイントは「開き直り」ということだ。

『星空街道』をもう一度 「スムースエンカ」の試み


久々にMacの電源を入れて……



これまた久々に真空管入りコンデンサーマイクに向かった。演歌をこれでもかというくらい「スムース」に歌ってみるという実験……



親父の介護で横浜を往復したときの映像なんかも組み込んで……



こんな感じになった


僕の中では、演歌的な泥臭さと、フュージョン音楽的なかっこよさは共存している。『星空街道』を聴いた後で、ビル・エバンスのピアノが聴きたくなる。
一人に向かって……自分に向かって、やれること、残しておきたいことに淡々と取り組みながら老いていきたい。

ススキの向こうに高く見えている月。レオとのお散歩にて(2016/10/07)












 

『日本狛犬図鑑05 小松利平・小松寅吉・小林和平』

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「福島問題」の本質とは何か?


『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ)
『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言。
複数の中学校・高校が入試問題(国語長文読解)に採用。大人にこそ読んでほしい!

第1章 あの日何が起きたのか
第2章 日本は放射能汚染国家になった
第3章 壊されたコミュニティ
第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
第6章 エネルギー問題の嘘と真実
第7章 3・11後の日本を生きる

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裸のフクシマ  『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。

第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛

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