2023/08/19
世界陸上始まる
世界陸上が始まった。
時差のせいで見逃せないレースがほとんど明け方にあるので、録画して、翌日、ニュースを見ないようにしてCMを飛ばしながら再生。
午前中から見始めて、見終わるのが午後2時くらい。
助手さん曰く「今回の世界陸上は落ち着いて見られていいわね」
まったくだ。あのうるさい人がいなくなったから、その分、スタジオでのくだらないシーンが減って、細かな場面が映し出される時間が増えたのもよかった。
スポーツの楽しみ方、感動の仕方は人それぞれ。テレビに感動の仕方を方向付けられるのは迷惑なのよね。
それでもネットでは「○○ロス」とか「盛りあがらなくなった」とかいう声が取り上げられている。
……無視!
サブトラックリポーター兼ハードル競技解説で起用された木村文子が非常によくやっている。このまま第二のQちゃんになっていくだろう。
入れ墨博覧会?

世陸は入れ墨博覧会みたいなところがあるけど、首に「あ」って彫っている選手には「あ」然
女子1万m決勝/男女混合4x400mリレー
女子1万mは
廣中璃梨佳の7位入賞は意外だった。解説のQちゃんが「調子がいいんですよ」と言っていたけど、ほんとに復調していたのね。先行逃げ切りパターンではなく、5番目あたりをキープして最後にスパートという新しい勝負の仕方を試したそうで、それもすごい。
りのりんは惨敗。体調が心配だな。やっぱりアレのせいか……?。
ゴール直前で転倒したハッサンは、その後、優勝したグダフ・ツェガエ(エチオピア)を笑顔で称え、抱き合っていた。
難民としてオランダに渡り、公園を走っていたところをスカウトされたという苦難の道の末の世界の頂上だけに、人間ができているのだなぁ。こういう細かいところも、「あの人」がスタジオで騒ぐのがなくなったので、見逃さなくなった。
男女混合4x400mリレーも、ゴール直前で先頭を走っていたオランダの実力者・ボルが転倒、バトンを飛ばしてしまい失格。この日はオランダ勢にとっては悪夢の日だった。
しかし、倒れたボルのもとにチームメートがすぐに集まってきて慰めていたシーンが印象的だった。
さて、いよいよ110mHの泉谷が登場。TWOLAPSの横田コーチは「今大会のYouTube再生数トップは泉谷のメダルじゃない?」なんてサラッと言っていた。
そんなことになったらそれこそ大事件。末續や為末に続けるか?
2023/08/20
男子400m予選 高野の記録が32年ぶりに更新される
これはビックリ!
佐藤拳太郞が高野進の日本記録を32年かけて0.01秒更新した。
しかし、
改めて高野ってすごかったな、と思う。
ナイキのシューズもなかった時代だもんねえ。
爺は20代の頃、高野が旧国立競技場で行われた国際大会で、長身の外国選手を次々に抜いて1着ゴールしたシーンを生で見ることができた。あれは一生の思い出だな。
佐藤風雅と中島ジョセフも着順で予選通過。こうなると4x400mリレーが俄然注目されちゃうね。かたくならないといいけど。
男子100m準決勝
なんと、カーリーが準決勝敗退。シンビネはフライングで失格。
ライルズに僅差の2位で決勝に進んだサニブラウンに追い風か? あといくつか偶然が重なると……。
いやいや、そううまくはいくまい。
で、サニブラウンはライルズより背が高いのね。
でも、並んだところを見ると、脚の長さはライルズよりずっと短い。
サニはやっぱり日本人なんだなあ、と実感。
短足でも100m決勝で戦えるところを見せてくれ!
決勝まで起きてるわけにはいかないので、録画して寝る。
男子100m決勝
カーリー不在の決勝でライルズが優勝。これで今大会100m、200mの二冠が濃厚になった。
サニブラウンは10秒04(±0)で6位。準決勝に比べると明らかに硬くなっていたかな。
男子110mH予選
いろんなことがあるなあ。
横地大雅選手は隣のレーンの選手が派手に転けてくれたおかげで準決勝進出。こういうのを棚ぼたっていうんだろう。彼の人生で絶対に忘れられない思い出になるだろうな。
泉谷駿介と高山峻野は準決勝進出。泉谷のメダルはあるのか?
男子1万メートル
日本から一人だけギリギリ出場の田澤廉は28分25秒85で15位。
日本人選手にとって、一番順位を取りやすい展開となり、しかも田澤選手自身も力を出し切ったレースだったと思います。
それでも前回から5つ順位が上がったとはいえ15位で、最後の3000mだけで35秒近い差をつけられました。その要因としては、まずは「スピード」の差があるでしょう。
今回の田澤選手の場合は、1000m2分45秒がリミットだったのかなと感じました。6000mから7000mで2分44秒に上がったあたりからきつくなったようですが、夏のレースで、日本人にとって1周64秒に入ると、10000mというよりは5000mのレースペースに近くなります。5000mで12分40秒前後のベストを持っている世界の選手と比べ、田澤選手は13分22秒60。このスピード差は、やはり大きいと言わざるを得ません。
(月刊陸上競技【竹澤健介の視点】より)
月刊陸上競技はこういう
マニアックな記事をポンポン出してくる。こういう精神が雑誌を長続きさせるキモなのかな。テレビも、BSを含めてそうした細分化を真剣にやっていけばよろしいのに。
2023/08/21
男子110mH準決勝&決勝
泉谷は準決勝を13秒16の組1着で難なく通過。高山峻野は13秒34で準決勝敗退。
泉谷はメダルを期待された決勝では13秒19(±0)をマークして5位だった。
緊張して身体が硬くなったのだろうと思っていたら、なんと
「ブロックを蹴った瞬間、両脚のふくらはぎがつりました」だって!?
おいおい、脚がつったまま走って5着かよ~。どういう身体能力してるんだ。
彼は走り幅跳びでもファウルなしで8mをポンポン跳んでファウル量産機の橋岡に勝つし、100mも10秒2くらいで走る。
天才だな。
2023/08/22
女子100m決勝
6度目の優勝を目指したシェリー・アン・フレイザー・プライスと、前回2位のシェリカ・ジャクソンのジャマイカ勢が先行するが、後ろからシャカリ・リチャードソン(アメリカ)がシャカリキに追い上げて10秒65(-0.2)で優勝。
彼女は
去年の全米選手権100mで初優勝を飾った際のドーピング検査でマリファナの使用が発覚。大会は失格扱いとなり、東京五輪の代表資格も失った。
筋肉増強剤や興奮剤ではなくマリファナ……。それも、生母の死去の悲しみを紛らわすために使用したという。
いろんなドラマがあるんだな。
2023/08/23
女子100mH予選
日本からは寺田明日香、青木益未、田中佑美の3選手が出場したが、この競技にはすでに事前のドラマがある。
去年のオレゴン世陸で日本記録を塗り替えてただ一人標準記録を突破していた福部真子が、日本選手権で写真判定の4位になって代表に選ばれなかった。ゴール直後は間違って1着表示され笑顔で電光掲示板を見ていた福部が、4位と知って思わず泣き出す。優勝した寺田がインタビューで運営側に注文をつけるという一幕もあった。
その福部に僅差で勝って代表入りした田中佑美は13秒12で7着だったが、13秒15で6着の寺田明日香、13秒26で組8着の青木益未よりタイムはよかった。
予選通過のプラスラインが日本記録より速いこの競技では、もちろん3人とも準決勝には進めず。
福部は気の毒だったが、結果としてはいちばん伸びしろがありそうな田中が経験を積めたことはよかったかな。
男子400m準決勝
佐藤拳太郞と佐藤風雅のW佐藤は共に44秒台を出したが決勝には進めず。
準決勝では風雅が44秒88(組4着)、拳太郎が44秒99(組5着)で、風雅のほうがタイムはよかった。
もう一人の代表・中島佑気ジョセフ(東洋大)は45秒04の組3着で敗退。
あとは4x400mリレーに期待。
男子3000m障害
三浦龍司が8分13秒70で6位入賞。
「もう少し行けたんじゃないかとと、半分悔しい気持ちもある」とのことだが、世界の6位はものすごいことよ。
優勝のエルバカリは8分3秒53で、およそ10秒先、3位のキビウォットは8分11秒98でおよそ2秒先。あと2秒でメダルだったんだねえ。
男子走り高跳び
予選を1位通過した絶好調の
赤松諒一が8位タイ。
この人は岐阜大学を卒業後、IT企業のアワーズに入社。現在は岐阜大医学部に派遣されて高齢者の転倒防止をテーマに研究しているという経歴の持ち主。予選から決勝の2m20、2m25まですべて1回でクリアして失敗なし。どこまでいけるかと期待を持たせてくれたが、その次の2m29を3回連続失敗。しかし、それまでの一発クリアが効いて結果8位に滑り込んだ。
一方、走り幅跳び組は3人とも予選敗退。予選の1発目をすんなり跳ぶことがいかに重要かが分かる。
2023/08/24
女子5000m予選
田中希実がまたやってくれた。
いちばん得意なはずの1500mは準決勝で敗退。「開き直って」臨んだ5000m予選は、ハッサン選手がうまくペースメーカー役を果たしてくれて、
まさかまさかの日本新記録。それも、これまでの日本記録(14分52秒84/廣中璃梨佳)を15秒近く更新する14分37秒98。
これで田中は1000m~5000mまでの日本記録を持つことになった。
800m 2.02.36=日本歴代5位
1000m 2.37.33=日本記録
1500m 3.59.19=日本記録
3000m 8.40.84=日本記録
5000m 14.53.60=日本記録
10000m 31分59秒89(日本歴代TOP100圏外)
別の組を走った
廣中は集団のペースアップ/ダウンにかき回されて15分11秒16の12着。予選敗退。
男子1500m/400mH
男子1500mでは大本命のヤコブ・インゲブリクセン(ノルウェー)が0.17秒差で2位になる波乱。
優勝はジョシュ・カー(英国)で3分29秒38。
400mHは本命カールステン・ワーホルム(ノルウェー)が圧勝。ブラジルのドスサントスは4着でメダルを逃した。
女子槍投げ予選、女子400m、女子棒高跳び
北口榛花が予選通過。調子はよさそう。
女子400mはマリレイディ・パウリノ(ドミニカ共和国)が48秒76の自国新で2位に0.81秒の大差をつけて優勝。
自国新というより、ドミニカで世陸の金メダルは初なんじゃないかな?
女子棒高跳びはニーナ・ケネディ(豪州)とケイト・ムーン(米国)が4m90で並び、無効試技数も同じだったため、二人の合意で2人とも金メダル。東京五輪の男子棒高跳びのシーンの再現となった。うん、それでいいよね。跳躍競技はこういうことができるからいい。