分布
本州近畿以東。西日本にいるものはニホンヒキガエルと命名されており、亜種(交配可能)の関係。
大きさ・容姿
40mm~160mmくらいまで、かなり大きさはまちまち。成長が早く、環境によって最大値が異なるため。
身体の模様、色も実にまちまちで、真っ黒なものからほぼアルビノに近いものまでいる。
身体が大きいことと、模様が固有であることから、時間をおいても同じヒキガエルを同定できる。「ああ、あいつとまた会えた」と分かるところが、ヒキガエルとのつき合いでいちばん嬉しいことと言える。
産卵

全国的には、産卵時期は2~7月と幅広いらしい。一般にはアカガエルなどよりはずっと遅れて5月くらいから。ただし、そのへんはかなりアバウトな感覚のようで、東北地方でも暖かい日が続いたりすると4月に突然抱接、産卵していることがある。
上の写真は福島県川内村で2008年4月25日。メスはほぼアルビノで模様がなかった。
産卵に関しては相当無頓着、いい加減で、たまたまできた水たまりなどに平気で産みつける。そのため、孵化する前に死滅する卵が非常に多いと思われる。
卵は透明なチューブ状の膜の中に黒い粒が並んだ形。非常に長いチューブで、数メートルある。
大きめの池などでは産卵期には相当数のヒキガエルが集まってきて、メスの争奪戦である「カエル合戦」「カエル相撲」を繰り広げる。身体が大きいだけに争奪戦は迫力があり、1匹のメスに多数のオスが被さっている光景も珍しくない。力が強いため、抱きつかれて窒息死するメスもいる。
天山文庫(川内村)の管理人は「すごい数のカエルが集まってくるので1匹1匹バケツに入れて川に投げた」などと言っているそうだが、産卵を邪魔するようなことは、カエルが好きだった草野心平の遺志に反したことだろう。
孵化~オタマジャクシ時期
卵から孵化までは、順調にいけば1週間から10日ほどだが、寒いとそのまま孵化しないで死んでしまう卵がたくさん出てくる。気候に左右される非常にデリケートな卵という印象。
オタマジャクシは真っ黒で、ゆらゆらと揺らめくように尻尾を動かす。この特徴的な動きと色で、他のオタマよりはずっと見分けやすい。
オタマジャクシは30mm程度までに成長する。成体の大きさの割には大きくならない。すでに大きくなっているアカガエルのオタマジャクシなどと一緒にいると、小さいときは食べられてしまうものも出てくる。

変態
かなり小さい状態で変態する。
オタマジャクシは30mm程度まで成長するが、変態前には少し縮んだようになるので、変態直後の体長はわずか10mm程度。小指の先にのるほどの大きさ。