カエル図鑑(10)

ヌマガエル


2020/10/02 栃木市六所神社境内
分布
本来は南方系のカエルで、本州の西を中心に分布していたが、1990年代頃から関東地方にも進出してきたとされる。海外からの侵入ではないため「国内外来種」などと呼ばれている。

大きさ・容姿
30mm~50mmくらい。ツチガエルによく似ている。パッと見ただけでは区別がつかないほど。
色や模様はバラツキがあり、ツチガエルと区別がつかないほど地味でイボが多いものもいれば、背中の真ん中に線が入っていて、小さめのトウキョウダルマガエルと間違えやすいようなものもいる。
南に行けば行くほど、背中に線が入っているものが多いという。
ツチガエルとの区別は、腹を見る。腹が真っ白ならヌマガエル。灰色で模様が入っていればツチガエル。

ちなみに、分類はヌマガエル科(広島大学デジタル博物館、Wikiなど)とするものとアカガエル科(国立環境研究所侵入生物データベース)とするものが見られて、学術的に統一見解ができていない面がある。形態的にはアカガエル科と区別できない部分が多い。

2020/10/02 栃木市 ↑小さくて模様もないので、一見するとツチガエルに見える



↑これなどは小さめのアカガエルにも見えるが、ヌマガエル。



↑これは背中にはっきりと線が入っているヌマガエル。線があることで、小さめのトウキョウダルマガエルとも間違えやすい。



↑2匹ともヌマガエルだが、前方にいるのは背中にはっきりと線があるので小さめのトウキョウダルマガエルに、後ろにいるのは線がないのでツチガエルと間違えやすい。
日光市周辺ではまだ確認できていないが、2020年に栃木市南部で狛犬巡りをしたとき、複数の神社の境内で多数のヌマガエルが跳ねているのを見て驚いた。
茨城、群馬、埼玉あたりまでは確実に北上してきており、栃木県内でも南部にはすでに数多く生息しているようだ。


栃木市六所神社境内には、一歩歩くと踏みつけそうになるほどたくさんいた。



豊富な「餌」を狙ってヤマカガシもいた。



可愛らしい顔のカエルだが、東日本では「国内外来種」などと呼ばれて警戒されている。



これは群馬県板倉町の西丘神社境内にて。2021年7月。



産卵
繁殖期は4~8月くらいと幅広い。他のカエルがすっかり産卵期を終えてもまだだらだらと抱接・産卵しているようだ。
産卵場所は主に水田。
卵は直径1mmほどで、かなり小さい。ゼリー状の中に散らばるような形で広がるので、アカガエルの卵塊などとは一見して区別がつく。


孵化~オタマジャクシ時期
オタマジャクシは最終的には2cmほどになるという。

性格
ツチガエルやアカガエルに比べると非常におおらかな印象。人が近づいてもなかなか逃げないし、見通しのよい場所にも平気で出てくる。
動きも素早いという感じはしない。

大楽センセのカエル学(森水学園特別授業書きおこし)


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ヌマガエル科

ヌマガエル(「アカガエル科」としているものもある)


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